蝶野正洋25周年特別興行 ARISTRIST in 両国国技館

日時: 2009年10月12日(月) 15:30開場　16:00開始
会場: 東京・両国国技館
観衆: 11000

第8試合 60分1本勝負
ダブルメインイベントII・蝶野正洋デビュー25周年記念試合

蝶野正洋
中西学

小橋建太
秋山準

武藤敬司
小島聡

境界線

23分59秒　シャイニングケンカキック→体固め

レフェリー｜レッドシューズ海野

MATCH REPORT

武藤対中西で試合開始のゴング。大声援の中、武藤はヘッドロック、ショルダータックル。耐えた中西にドロップキック、スペースローリングエルボー、フェースクラッシャーと畳み掛ける。さらに、場外エスケープした中西を、シャイニングウィザード、フェースクラッシャーで追撃する。
　武藤はリングインした中西に、フライングメイヤーからのフラッシングエルボー。いきなり出鼻をくじかれた中西は、カウンタードロップキックをヒットさせ、ショートレンジラリアット、アルゼンチンバックブリーカーと猛反撃。すると、武藤は腕絡みで脱出し、腕ひしぎ逆十字固めへ。中西は体勢を起こして上から手刀を落とした。
　続いて、小橋と小島によるチョップと張り手の打ち合いに。小橋が食い下がる小島をチョップでダウンさせると、小島はすぐに立ち上がってバックドロップ。それでも小橋はチョップで反撃し、ショルダーネックブリーカードロップから小島の胸板へ手刀を落とす。
　蝶野対秋山となり、蝶野は秋山のジャンピングニーパットをかわしてケンカキック。すると、中西と小橋がリングインし、チョップ合戦に突入。小橋は武藤との合体ブレーンバスターで中西を投げ、出てきた小島には蝶野と小橋が合体バックエルボー、ケンカキックとチョップを同時に放つ。さらに、秋山には蝶野と武藤が合体ドロップキック。
　しかし、ここから蝶野が捕まる展開となり、中西、小島、秋山がトリプルドロップキックを発射。それでも中西は控えの小橋を執拗に攻撃。そして、蝶野に首4の字固めを極めると、小橋が手刀を落としてカット。小橋と中西によるチョップ合戦となり、レッドシューズ海野レフェリーが何とか制止した。
　その後も中西と小橋は場外で激しくやり合い、リング上では秋山が蝶野にフロントネックロック。そして、ジャンピングニーパットから蝶野をフォール。これを返した蝶野は、マンハッタンドロップで反撃して武藤のもとへ。
　武藤は秋山に低空ドロップキック。出てきた小島、中西をドラゴンスクリューで蹴散らし、秋山にドラゴンスクリューからの足4の字固め。蝶野が中西にSTF、小橋が小島にコブラツイストをそれぞれ極めた。
　武藤はロープエスケープした秋山に、低空ドロップキック連発からドラゴンスクリュー。そして足4の字固めへ。秋山がフロントネックロックで切り返すと、小橋がリングイン。すると、中西が小橋に突進してアルゼンチンバックブリーカー。小島は蝶野にスリーパーホールド。
　小島対武藤となり、小島はマシンガンチョップ、串刺しジャンピングエルボーアタック、いっちゃうぞエルボー。対する武藤は、ドロップキックを見舞って小橋とスイッチ。
　小橋は小島にマシンガンチョップ、ローリング袈裟斬りチョップ。小島は腕でガードし、エルボー連打からローリングエルボー。ここから小橋のローリング袈裟斬りチョップ、小島のコジコジカッター、小橋のハーフネルソンスープレックス、小島のラリアットが交互に飛びかい、両者はダウン。
　中西対小橋の場面。小橋がマシンガンチョップを放つと、中西は首根っこを掴んでのラリアット。そこから串刺しチョップ連打、一本足ハンマー、さらにミサイルキックとラッシュする。だが、小橋も袈裟斬りチョップからのハーフネルソンスープレックスで逆襲。
　タッチを受けた蝶野は、中西にダイビングショルダー、ケンカキック4連発。そしてシャイニングケンカキックからカバーするも、秋山、小島がカット。秋山はエクスプロイダー、小島は右腕のサポーターをはずしてのラリアットで蝶野を攻め込む。そして、中西は一本足ハンマー、野人の雄叫び＆野人ダンスからのラリアット。
　蝶野はフォールをカウント2で凌ぐと、武藤がシャイニングウィザードで援護射撃。入ってきた小島をドラゴンスクリュー、シャイニングウィザードで一蹴し、蝶野は中西に串刺しシャイニングケンカキック。武藤もシャイニングウィザードで続き、小橋が剛腕ラリアット。武藤はダメ押しのシャイニングウィザードを浴びせ、最後は小橋、武藤が押さえる中、蝶野がシャイニングケンカキックで中西を仕留めた。
　
　試合後、蝶野は、故橋本真也さんの長男である大地さんをリングに呼び込み、4人で両手をあげて勝利をアピール。東京スポーツ新聞社より記念品が贈呈されると、蝶野はマイクを握って次のようにコメントした。
　
蝶野「今日はたくさんのご来場、それから現役選手からOBの選手まで、本当にプロレスの魅力を改めて示してくれて、ありがとうございます。この先はあと1年あるのか2年あるのか、そんな事は今の時点で関係ありません。今日の闘いで改めてプロレスの魅力を皆さんに見てもらえたと思います。これから日本のプロレス界、レスラー達を、皆さん応援してやってください。今日は本当にありがとうございました。ONE LOVE、神に感謝!」

COMMENT

蝶野「久々に試合前のお客さんの雰囲気と言うか、熱気を感じてちょっと興奮しました。（『橋本大地さんにどんな言葉をかけた？』）お父さん（故橋本真也さん）が歩んできた新日本プロレスのリング上に、一度経験として上げてあげたい。レスラーになる、ならないじゃなくて、経験としてね。それが自分にできることかなと思って。あとは本人に聞いてみて下さい。（武藤、小橋とトリオを組んで）ちょっと緊張しました（笑）。滅多なことで緊張しないんですけど、どこかで試合は誰がリードしていくのかとか（思ったけど）、余計な心配でした。流れの中で自分の流れを作って、それが自然と試合になりましたから」
武藤「昨日も試合があって、明日から自分たち（全日本プロレスの）九州巡業でね。若干疲れていて、『まぁ蝶野の興行だから手を抜いてやろうかな？』なんて思ったんだけど（笑）、お客の雰囲気とか、隣には小橋選手がいるし。そうはいかず、出足から飛ばしちゃいましたね。このメンバーは、美味しいところ（を誰が持っていく）抜きに、なんかやっていて楽しかった。そう組めるパートナーたちじゃないし。明日から俺は全日本へ戻って、小橋選手はノアへ戻るけど、（この三人で）今後いいトライアングルができればなと思っております」
小橋「本当に楽しかったですね。こういう楽しい気持ちになるとは思わなかったです。蝶野さんとは、三沢（光晴）さんの追悼大会で組んで、武藤さんとはこの間、闘ったばかりで。二人とも先輩なんですけど、こうして組むと本当に楽しかったです。蝶野さんの25周年も素晴らしいことなんですけど、こうやって各団体が集まってメインを飾れたことも素晴らしいことだと思います。（中西とのチョップ合戦について）ごっついですね。野人と呼ばれるだけありますね」
蝶野「自分の25周年は、看板の一つ。今回は、OBの方から小橋選手、武藤選手といった他団体のトップ、エースが集まった。何かそういう機運があれば、プロレスファンは戻ってくる。ノアの (10/3)大阪大会もそうでした。武藤さんの25周年大会(8/30両国)も超満員だった。プロレス界は、風を吹かせている。この風を来年、再来年に向けてどう本物にするか。闘うところは、K-1とか総合格闘技であったり。そういうところに対して、プロレスの魅力（を伝える）。絶対に負けないという自信がありますから。業界が一丸となって前に進んでいくというきっかけにする。この夏から秋にかけて、武藤さんの25周年、ノアさんのところ（三沢さんの追悼大会）と繋がってきましたから。1年後か半年後か分からないですけど、実現に向けて進めていきたい」
武藤「俺は元々、プロレスの潜在能力を信じてやっていますから。蝶野が興行を手がけたらこういう風になる。非常に参考になりましたね。勉強させて頂きました。またメラメラとライバル心が。俺、次のイベントどうしようかなとかさ」

小島「なんだかんだ言って、楽しかったな。お祭りじゃないって言ってたけど、やっぱりお祭りだったかな。蝶野さんも武藤さんも小橋さんもスゲェよ」
※中西、秋山はノーコメント