レスリングどんたく 2009
- 日時
- 2009年5月3日(日) 14:30開場 15:00開始
- 会場
- 福岡・福岡国際センター
- 観衆
- 5500
-
第8試合 60分1本勝負
IWGPヘビー級選手権試合- (第50代王者)
- (挑戦者・NJC 2009優勝者)
※王者が3度目の防衛に成功レフェリー|レッドシューズ海野
MATCH REPORT
入場時に戦国武将を思わせる羽織を着用し、大一番に臨んだ後藤は、ラリアットで棚橋を場外へ転落させ、ロープ越しのショルダーアームブリーカー。
ところが、棚橋は、ロープ越しのドラゴンスクリューですぐに対抗。これで後藤が場外エスケープすると、エプロンからのトペコンヒーロで追い討ちをかける。
後藤をリングへ戻した棚橋は、レッグロックや監獄固め、ニードロップなどで後藤の膝に集中砲火。これを境に劣勢が続く後藤だったが、串刺し攻撃を棚橋に両 足でブロックされると、その両足を手で払って強引に串刺しラリアット。そこから串刺しニールキック、ダイビングエルボードロップを決める。
ロープワークを経て、後藤に延髄ラリアットを見舞われる棚橋だったが、すぐにスリングブレイドで応戦。その直後の串刺しジャンピングボディアタックは後藤にかわされるが、カウンターの低空ドロップキックを突進してきた後藤の膝にヒットさせる。
これで後藤の動きを鈍らせた棚橋は、ドラゴンスクリューからテキサスクローバーホールドを極めようとするが、後藤に抵抗される。すると、棚橋は、グラウン ドドラゴンスクリュー2連発で後藤を怯ませ、テキサスクローバーホールド。後藤は、苦しい表情を浮かべながら、必死にロープへ手を伸ばしてエスケープす る。
ランニングエルボー、張り手が相打ちに終わり、そこから両者は激しい張り手合戦へ展開。すると、後藤がグーパンチ2発。この禁じ手で勝利へ の執念を見せ、ここから雪崩式の変型ネックブリーカー、エルボードロップ2発、ダイビングエルボードロップで棚橋の首に狙いを定める。
そして、後藤は、昇天でフィニッシュを狙うが、棚橋に背後に着地されて失敗。それでも後藤は、豪快なバックドロップ2連発から昇天をもう一度繰り出すが、今度はスリングブレイドで脱出され、またも不発に終わる。
棚橋は、スリングブレイドをもう1発決め、必殺のハイフライフロー。しかし、後藤は両膝でブロック。牛殺しから今度こそ昇天を炸裂させ、棚橋をフォールする。だが、棚橋はカウント2でキックアウト。その直後のラリアットからのカバーも肩を上げる。
「棚橋」、「後藤」コールが交錯する中、棚橋は牛殺しを狙った後藤の背後に着地し、フルネルソンへ。クラッチを外した後藤がロープへ走ると、フランケンシュタイナーで押さえ込む。
カウント2でクリアした後藤は、昇龍結界を狙うが、棚橋に上から押さえ込まれて失敗。しかし、棚橋にテキサスクローバーホールドを極められると、上手く体勢を入れ替えて昇龍結界。勝利を確信する後藤だったが、棚橋にロープエスケープされ、ギブアップ勝ちならず。
後藤は、棚橋にPKをクリーンヒットさせると、ダウンする棚橋を強引に起こし、昇天の構えに入る。ところが、棚橋はスモールパッケージホールドで切り返し。さらに、後藤をフルネルソンで捕まえ、そこからダルマ式ジャーマンスープレックスホールドで3カウントを迫る。
その後、後藤のラリアットを食らってもダウンしなかった棚橋は、もう一度ラリアットで突っ込んできた後藤を低空ドロップキックで迎撃。そこからドラゴンスープレックスホールドを決めるが、後藤にクリアされてピンフォール勝ちならず。
棚橋は、後藤の膝目掛けてハイフライフローを叩き込み、テキサスクローバーホールドへ。追い詰められる後藤だったが、観客の大「後藤」コールで奮起し、必死に這いつくばってロープエスケープする。
そんな後藤に対し、棚橋は容赦なくドラゴンスクリューを。両手を広げてアピールすると、スリングブレイドからフォールへ。後藤がカウント1で意地のキック アウトをすると、今度は後藤の背後からスリングブレイドを決め、最後はハイフライフロー2連発。これで約30分にわたる後藤との激闘に終止符を打ち、3度 目の防衛に成功した。
試合後、マイクを手にした棚橋は、勝利者インタビューに答える。その中でなんと次期挑戦者を指名した。
棚 橋「ありがとうございました! 後藤洋央紀、とても強い挑戦者でした。!(自分に酔った様子で)やっぱりヤベェでしょ? ヤベェだろ! 俺の進化が止まんねぇ〜。実は、4度目の防衛戦の相手をもう決めている。5月6日後楽園ホールで(スペシャルシングルマッチで対戦する)中西選手と防衛戦 をやります! 俺は闘うチャンピオンです。短い期間でも必ず防衛してみせます!(大「棚橋」コールを浴びて)最後に一言、言わせて下さい。会場の皆さん、愛してま〜 す!」
COMMENT
棚橋「後藤の気持ちがビンビン伝わってき て、ホントに紙一重でした。(『今回もハイフライフローを連発したが?』)やっぱり後藤を確実に仕留めたかったしね。まだまだ棚橋弘至の熱いゴールデン ウィークは続きますから。ベルトを防衛したいというのはもちろん一番の気持ちなんですけど、俺、福岡の街が大好きなんですよ。レスリングどんたくも経験し てきたし、国際センターでメインを張れるっていう責任。今日、福岡のプロレス熱をもう一度呼び起こすんだという気持ちでいっぱいでした。長いシリーズだっ たし、とても充実感があるし、こうして最後に勝てて。ホントにまた一歩成長しました。後藤はとっくに怖い存在ですよ。ただ、譲れないから。新日本のエース は、新日本のチャンピオンは、譲れないから。まだまだ進化し足りねぇですから。(IWGP次期挑戦者に中西を指名したことについて)まぁ、唐突かもしん ねぇッス。ただ、ミスティコが諸事情で来れなくなって、せっかくのゴールデンウィークなんで、何とか大会を盛り上げたい。中西選手はリスペクトしてるし、 実際にG1 CLIMAXで何連敗もしてるし、あの肉体は俺にとって壁だし。だから、あえてミスティコの来れなかったケリを、チャンピオンとしてつけたいなと。あとは 会社に検討してもらって。(『3日後のタイトルマッチだが?』)俺は生まれてこのかた、疲れたことがないですから。今、現代に必要なのは、疲れたことのな い俺。俺に疲れはないです。自分に限界はないと思ってますから。プロレスをもう一度楽しませられるのは俺しかいないと思っているので、存分について来て下 さい。福岡もこんなにも盛り上がったんで、ほかの日本全国47都道府県も負けないように盛り上がって行きましょう」
後藤「やっぱり IWGP、そう簡単に獲れるもんじゃないね。それを思い知らされました。でも、高い壁の方が到達した時の快感は物凄いでしょ。俺はその時を夢見て、これか らも諦めずにベルトを狙っていきます。今回、負けた。それは事実です。ただ、その事実を覆す自信はまだ俺にはあるんで、まだまだ、まだまだ、やり足りな いッス。(昇龍結界=変型腕固めについて)場所が悪かったね。ちょっとロープに近かった。あれで決まっててもおかしくなかったんだ。ただタイミングよ、今 回は。タイミングが、まだ俺がベルトを獲る時期じゃなかったってことだよ。タイミングだろうね。実力で負けたと思ってないし、彼との闘いはこれからもどん どん続けていきますよ。諦めないですよ。チャラ男? チャラ武者? いいじゃない。今はアイツが最高のチャンピオンだ。でも、いずれ俺がアイツから獲ってやるよ。叩き潰すのみ。それだけだよ」