新日本プロレス創立35周年記念 G1 CLIMAX 2007 〜Winner Take All〜
- 日時
- 2007年8月12日(日) 14:30開場 15:00開始
- 会場
- 東京・両国国技館
- 観衆
- 11500
-
第8試合 時間無制限1本勝負
G1 CLIMAX 2007 決勝戦※棚橋がG1初制覇レフェリー|レッドシューズ海野
MATCH REPORT
開始のゴングが鳴り響くと同時に、両者への大きなコールが飛び交う中、手四つの組み手から、バックの取り合い、グラウンドでの攻防と静かな立ち上がり。
永田がけん制のキックを放てば、棚橋はエルボー連打からフライングフォーアーム。ダウンした永田は続くフラッシングエルボーをかわし、ミドルキック。すると、これを棚橋はかわしドロップキック。だが、永田もすぐに立ち上がってフロントハイキックで応戦する。
試 合時間5分が経過し、エルボー合戦へ突入。すると、永田はミドルキック、サッカーボールキックの乱れ撃ちで棚橋を痛めつける。さらにニーリフトからの強烈 なミドルキックで追い討ちをかけると、棚橋は悶絶しながら場外エスケープ。永田は場外ブレーンバスターを狙うが、棚橋はこれをスイングネックブリーカード ロップで切り返す。
先にリングインした棚橋はエプロンに立った永田の脚を取ってドラゴンスクリュー。永田が場外へ転落すると、棚橋はセカンドロープに乗って場外でダウンしている永田目掛けハイフライフロー。
永田は場外カウント17でエプロンに上ると、棚橋はその永田をスリーパーホールドで捕獲してリング内へ引き込み、ファイナルカット。さらに棚橋は腕を同時に極めるドラゴンスリーパーから、2発目のファイナルカット。
そ の後、ミサイルキック、延髄斬り、ジャーマンスープレックスホールドと攻勢に転じた棚橋。だが、永田も突進してきた棚橋をキャッチし、バックドロップ一 閃。そして、対角コーナー付近にいた棚橋に串刺しニーリフトを発射し、雪崩式エクスプロイダー、助走をつけてのミドルキックから棚橋をカバー。これはカウ ント2に終わる。
続いて永田は、垂直落下式ブレーンバスターからナガタロックIIで棚橋の顔面を絞る。場内からは「棚橋」コールが起きる中、棚橋はジリジリとロープへ近づいてエスケープ。
すると、永田はバックドロップから棚橋をフォールするが、またしてもカウントは2。
永田がもう一度バックドロップの体勢に入ると、耐えた棚橋は張り手合戦を仕掛ける。これは永田が競り勝ち、棚橋は大の字に。
何とか立ち上がった棚橋は、突進してくる永田をかわしグラウンドコブラツイスト。そして、スモールパッケージホールド合戦を挟み、カウンターのスリングブレイド、裏投げとラッシュ。ここでハイフライフローを投下するが、永田はカウント2でキックアウト。
ここで棚橋は、ドラゴンスープレックスを狙う。だが、永田はバックを取り返してバックドロップでフォールを迫る。
両者が膝をついたままエルボーを打ち合う中、棚橋は永田のミドルキックをキャッチし、ここからドラゴンスクリュー5連発。これで動きの止まった永田をダルマ式ジャーマンスープレックスホールドで押さえるが、これもカウント2。
勝機と見た棚橋はドラゴンスープレックスホールド。やや形が崩れるも、永田を強引に押さえ込む。永田がカウント3ギリギリで返すと、棚橋は間髪入れずに、今宵2発目のハイフライフロー弾。この会心の一撃で棚橋が永田との熱戦に終止符を打ち、G1初制覇を果たした。
試合の激しさを物語るがごとく、なかなか起き上がる事が出来ない両者。そして、先にリングを後にする永田には大きな拍手が送られる。
そのまま表彰式へと突入し、まずは優勝者の棚橋に優勝トロフィー、優勝カップが贈呈された。
続いて、各賞が発表され、まずは曙に日刊スポーツ新聞社賞、デイリースポーツ社賞が贈られた。
そして、真壁に報知新聞社賞、内外タイムズ新聞社賞、ミラノにベースボールマガジン社賞が贈られ、最後は棚橋に優勝旗と優勝賞金1000万円が贈られた。
表彰式終了後、棚橋はリング上で優勝者インタビューに答え、「俺みたいなクソ野郎を応援してくれて、どうもありがとうございました。皆さんの期待、声援、この体に浴びました。必ず、俺達の世代でもう1度プロレスを爆発させます!」とコメント。
そして、「最後に一言、両国の皆さん、愛してまーす!」と決めゼリフを絶叫した棚橋は、両国のファンの大声援を受けながら、優勝トロフィーを手にリングのまわりを一周し、そのまま引き上げて行った。
COMMENT
棚 橋「感無量です。永田裕志、さすがIWGPのチャンピオンだなと改めて思いました。(『ファンの声援は聞こえましたか?』)夢中だったですね。正直なとこ ろ。もっと声援を力に変えられたら良かったですけどね。でも、膝の怪我をした時は、この先どうなるんだろうという気持ちでいっぱいだったんですけど、みん なが応援してくれたおかげで今日の結果に結び付いたと思いますね。俺が(IWGPヘビーの)ベルトを取られた相手、永田裕志とG1というタイトルを懸けて 闘えたという事は、俺は現時点でIWGP王者に何1つ劣ってないという事です。(永田は)相変わらずキツイですよ。キツイですけど、永田裕志は逃げない先 輩だと思っている。だからこそ、世代の闘いがある。俺の野望はこのプロレスというジャンルをもう1回てっぺんまで、最高のジャンルに引っ張り上げる事。そ れには、俺が爆発しなきゃいけないし、俺らの世代が爆発しなきゃいけない。復帰した時に言ったように、俺は最短距離を走る。G1獲って、IWGPのベルト にもう1度挑戦する。今日まで色々ありましたけど、今日この瞬間のために生きてきた気がします。(『ベテラン5選手が新軍団の結成を発表しましたが?』) やっぱり危機感を感じているからこそ、動くんだろうし、あの軍団に負けていたら、新日本の発展は1ミリも無いと思いますよ。ただ、レジェンドが揃っている んで、強力だとは思いますけど、逆に集まっているからこそ、素敵な四文字熟語を送りますよ、“一網打尽”。雑誌の表記を見ても、(俺の事は)“次世代エー ス”って書いてあるんですよ。次の世代はいつなんだっていう。今じゃないのか。もう力づくでも次世代とは言わせない。次世代という表記は禁止です。エース という表記は好きなんで、続けてください」
永田「最後のドラゴンスクリュー、効きましたよ。あれで立てなかったし、蹴れなかった。やっぱ り知り尽くしていますね、俺の事。欠場して、大きくなって帰って来ましたよ。元々強いのは分かってるけど、さらに強くなったと思います。このG1 CLIMAX、1度自分のチャンピオンベルトというものをはずしてフラットな状態で他の連中と臨みましたけど、闘い抜いて決勝でこういう結果が出たという 事で、改めてベルトを締め直して闘っていかなきゃいけないなと。もう一丁ってとこだね。こういうシングルで闘っている以上、気がつかないところで、潜在能 力みたいなものが育ってきている。新日本の内部が充実して盛り上がってきているんだなと。中邑もエクスプロイダーで肩から突っ込んだみたいですけど、凄い 執念で張られましたよ。俺が望んでいる闘い。G1 CLIMAX、そういう意味では、闘いというものを常に出して闘った結果がこれなので、また頑張ります。1つ言える事は、俺以上のテンションとコンディ ションを持って臨める人間はそうそういないですから。そういう意味では常にグレードの高い闘い、内容を見せ付けた自負はあります」