第3試合はBブロック公式戦として田口隆祐(2勝4敗)とクリス・セイビン(3勝3敗)が対決。かつてApollo55 vsモーターシティマシンガンズとして、ジュニアタッグ戦線でしのぎを削った二人のテクニシャンが、注目の一戦を迎えた。
開始のゴング、セイビンは流れるようなチェーンレスリングで田口をコントロール。そして、セカンドロープを利用したアームホイップを繰り出す。翻弄された田口は手でTの字を作ってタイムを要求。するとセイビンが握手を求め、両者は一旦離れる。
続いてセイビンはリストをつかみ、田口は脱出を試みるも、うまくいかずロープに逃げる。続くロープワークの展開で、田口はセイビンを延々と走らせるが、セイビンはスキをついて低空ドロップキック。さらに場外に落ちた田口に対し、エプロンを走ってサッカーボールキック。
セイビンは田口をリングに戻すと、トップコーナーからフライングボディプレス。セイビンは変形のコブラツイスト、そして複合関節技から丸め込むが、田口はカウント2でキックアウト。
セイビンはボディスラムから両腕両足、さらに額にストンピング。続いてフェイスロックで絞め上げ、田口にダメージを蓄積させる。セイビンはフライングメイヤーーから田口の腕を利用した変形のフェイスロック。
ピンチの続く田口は低空ドロップキックを繰り出すも、その動きを読んだセイビンはサッカーボールキック。しかし、串刺し攻撃をかわした田口は、ヒップアタックはよけられるも、串刺しキックをヒット。そして、エプロンのセイビンにヒップアタックを食らわせ、場外に落とす。続いて三角飛びプランチャを炸裂。
田口はスワンダイブ攻撃を狙うが、かわしたセイビンは場外へ。すると、田口はノータッチ式トペ・コンヒーロをヒット。田口はセイビンをリングに戻すと、スワンダイブのヒップアタック。ここでフォールに入るが、セイビンはカウントでキックアウト。
ならばと田口はどどんを狙うも、セイビンは丸め込みで切り返し、さらに変形のラ・マヒストラル。しかし、田口はカウント2で跳ね返す。続いて両者はラリアットで3度の相打ちの末、ダブルノックダウン。
立ち上がると両者はエルボー合戦。競り勝った田口がロープに走るも、セイビンは追走してキチンシンク。そして延髄斬りから串刺しフロントハイ。さらに雪崩式フランケンシュタイナー、ミサイルキック、ラリアットとたたみかける。だが、フォールは田口がカウント2でキックアウト。
ここを勝機と見たセイビンは田口を両肩に担ぐが、田口は着地して逆さ押さえ込み。さらにラ・マヒストラルを仕掛けるも、セイビンは返す。逆にセイビンがラ・マヒストラルを繰り出すも、田口は押しつぶしてフォール。だが、セイビンもキックアウト。
ここで田口は低空ドロップキックから一気にオーマイ&ガーアンクル。セイビンが丸め込んで逃げるも、田口はしつこくオーマイ&ガーアンクルへ。そしてどどんを決め、セイビンがフォールを返すと、田口はもう一度オーマイ&ガーアンクル。セイビンは逃げようとするも、田口はヒザにエルボーを落としてから徹底的にオーマイ&ガーアンクル。たまらずセイビンがギブアップし、田口が勝利。共に3勝4敗で全公式戦を終えた。
試合後、両者は抱擁。セイビンは田口の腕をあげて勝利をたたえた。
田口「(※コメントブースに床に倒れ込む)ハァハァ、良かった……なんとか勝てて良かった。3勝4敗……久々にリーグ戦を勝ち越せずにリーグを終わるっていう……これはやってみなきゃわからない。ボクの力が落ちただけじゃなくて、この新日本のジュニアのレベル、全体がものすごく上がってる。このリーグの星取表を見てもわかる通り、誰一人おとることなくみんな点数が同じような点数で、全体のレベルが上がってるからキツいですよ。若い選手が伸びて伸び盛りの選手。新日本でのし上がろうという外国人選手。新日本プロレス育ちの選手。すべてが良い方向に向いてるという。いつの間にかベテランになってしまいましたけど、新日本のジュニアを愛して、新日本ジュニアでやりたくて入ってきたボクにとっては、いまの状況というのはものすごく嬉しいことです。嬉しいけど、そこになんとか食いついて、必死にやってって……なんとか食いつけてないのかもしれないけど、まだまだ向上心を持ってやっていきます。まだまだ、負けないところをみせたいと思います。頑張ります」
セイビン「この『BEST OF THE SUPER Jr』というのは、勝ち数と負け数、そしてポイント数で競う大会だ。今日は残念ながら敗れたが、今日までの間に獲得したポイントを考えると、決勝戦に残るのは難しいだろうと感じていたので、実は自分にとっては、結果はあまり重要ではなかった。それよりも今日は、この新日本プロレスでタグチとシングルマッチができたということが大きかった。なぜならば10年近く前に、俺たち“モーターシティ・マシンガンズ”と、タグチたち“Apollo55”という2つのタッグチームはここで何度も闘っていて、その試合こそが歴史に残る、伝説的な試合だったと思っているからだ。だからこそ、このコーラクエンホールで闘えたのが嬉しかった。俺は、開幕前の記者会見で言ったことはしっかりと実行できたと思っている。記者会見で何を言ったか覚えてるか? 『俺が誰であるかを証明してみせる。そして、自分のキャリアはまだ終わってないというところを見せたい』と言ったんだ。まだまだこれからも俺のストーリーは続いていく。ウォリアー・ポエト(戦う詩人)、クリス・ファッキン・セイビンのストーリーがな」