ROH&新日本プロレス「WAR OF THE WORLDS TOUR」
- 日時
- 2016年5月11日(水) 17:30開場 19:00開始
- 会場
- カナダ・オンタリオ州トロント Ted Reeve Arena
- 観衆
- 1,500人(超満員札止め)
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第10試合 無制限1本勝負
シングルマッチレフェリー|トッド・シンクレア
MATCH REPORT
3度目のシングルとなった5・11トロント。両者にとって、タイトルが懸かってないことなど関係ない。オライリーにすれば、ここで現IWGP Jr.ヘビー級王座から勝利を収めれば、次期とはならなくとも王座挑戦への切符を手にしたも同じとなる。それに加え、『SUPER r.』開幕直前というこの時期に組まれたことで、これまでの定番の攻防も、なお一層、心理戦が隠されている。
試合開始のゴングが鳴ると、『SUPEr Jr.』チャントも聞こえてきた。その中でタッグを含めたこれまで以上の攻防が繰り広げられ、試合の流れに関係なく騒ぐことが好きな北米ファンですら静かに展開を見つめてるという現象が起きた。
中盤からはKUSGHIDAが腕、オライリーが足に攻撃を集中していった。打撃は一発一発が的確で見た目以上にダメージも大きい。痛みを感じながらも飛び技も織り交ぜていくKUSHIDA。場外に戦場を移すと、フェンス内のセキュリティーが座っているイスを取り出したオライリーは、そこにKUSHIDAの足をニークラッシャーの要領で叩きつけていった。さらにKUSHIDAをイスに座らせると、エプロンを走ってヒザ蹴りを放つ。しかしKUSHIDAは、飛び込んでくるオライリーの腕をキャッチして腕十字に切り返していった。両者の闘いは頭脳戦でもあると見せつけたシーンだ。
この場外腕十字でKUSHIDAがペースをつかんだ。リングに戻ってからは、さまざまな入り方でホバーボードロックを狙う。オライリーも正面から飛びついてのスタンド式フロントネックロックを決めたが、それをKUSHIDAはアームロックに切り返していった。そしてグラウンドに持ち込むも、なかなか完璧にな形には入れない。その攻防の中でKUSHIDAがオライリーをエビで押さえ込む形に。それをさらにエビ固めに切り返したオライリー。必死にKUSHIDAの両足をホールドすると、レフェリーがマットを3回叩いた。
この日一番の激闘に観客は大きな拍手。試合中は本部席に置かれていたIWGP Jr.ヘビー級ベルトがKUSHIDAに返されるべくリング内に持ち込まれたが、それを手にしたのはオライリー。しばらくそのベルトを見つめていたところ、KUSHIDAがひったくるように奪い取った。そして、ベルトを高く掲げてなにやらアピール。先に引き揚げていくKUSHIDAの背中に目をやってから、オライリーはコーナーに上って、気力みなぎる表情で勝利をアピールした。