IWGPジュニアヘビー級王座戦として、王者KUSHIDAと挑戦者エル・デスペラードが激突。前哨戦から火花を散らした二人が、ついにベルトを賭けて決着戦を迎えた。
開始のゴング、場内は「KUSHIDA」コールに包まれる。ロックアップで組み合うと、KUSHIDAがロープに押し込むがデスペラードが身体を入れ替える。そして、クリーンブレイク。続いてリストの取り合いから、KUSHIDAがヘッドロックへ。ここからロープを使ったすばやい展開となり、KUSHIDAがハンドスプリングエルボー。
だが、デスペラードも一瞬のスキをついてKUSHIDAを場外に落とす。そして、ダイブを狙うが、KUSHIDAはエプロンに上がってキックで迎撃。しかし、デスペラードはKUSHIDAの足を引っ張って場外へ。そして、自身はリングに上がると、すばやい動作からトペ・コンヒーロを敢行。さらにデスペラードは場外でマフラーホールド。
KUSHIDAはカウント14でリングに生還。デスペラードはKUSHIDAの左ヒザにストンピングを落としていく。そして、変形のヒザ固めで左ヒザにダメージを蓄積させる。KUSHIDAは必死にロープエスケープ。
ならばとデスペラードはKUSHIDAの左ヒザにボディプレス。ここでセコンドのTAKAからデスペラードにギターケースがわたされる。デスペラードはケースを開けてギターを手にすると、大きく振りかぶるが、これは海野レフェリーが阻止。すると、デスペラードはケースからムチを取り出し、KUSHIDAに一撃。KUSHIDAはたまらず場外にエスケープするが、デスペラードは追いかけてムチ攻撃。そして、デスペラードはKUSHIDAをリングに戻す。
デスペラードはKUSHIDAにチンロック。そしてロープに飛ぶが、KUSHIDAはヒップトスから低空ドロップキック。さらに右ミドルを連発するが、デスペラードは受け止めてエルボー。そしてロープに飛ぶも、KUSHIDAは飛びつきDDT。さらにバックトゥザフューチャーを狙うが、切り抜けたデスペラードは顔面かきむしり。すると、KUSHIDAも相手のお株を奪う顔面かきむしり。
KUSHIDAはデスペラードの腕にドロップキックを見舞い、トップコーナーに上る。だが、すかさずデスペラードが妨害。そして、雪崩式攻撃を狙うが、KUSHIDAはアームロックに捕らえ、そのままリングにダイブ。デスペラードは左腕を押さえてのたうち回る。
KUSHIDAはデスペラードの両腕を取ると、顔面を踏みつけて、雄叫びとともにアームロック。しかし、デスペラードはマフラーホールドに切り返し、そこからヌメロ・ドスに移行。KUSHIDAは死に物狂いでロープに逃げる。ここで三澤トレーナーがKUSHIDAの左ヒザの状況をチェック。
その間にデスペラードはコーナーにパイプイスを設置。そして、KUSHIDAをハンマースローで投げつけようとするも、逆にKUSHIDAがデスペラードをパイプイスに叩きつける。さらにKUSHIDAは顔面にパントキックを叩き込み、一気にホバーボードロックを狙うが、こらえたデスペラードはピンチェ・ロコの体勢へ。だが、切り抜けたKUSHIDAはバックトゥザフューチャーを試みようとする。しかし、着地したデスペラードはKUSHIDAを突き飛ばし、レフェリーに衝突させる。
ここでデスペラードはマスクを自ら脱ぎ、それをKUSHIDAにスロー。思わずKUSHIDAがキャッチすると、TAKAが「マスク、マスク!」とレフェリーにKUSHIDAが剥ぎ取ったかのようにアピール。海野レフェリーはKUSHIDAからマスクを取り上げ、デスペラードにわたす。KUSHIDAが無実を訴えていると、デスペラードがレフェリーの死角をついて急所攻撃。そして、丸め込みを見せるが、KUSHIDAはなんとか跳ね返す。
ならばとデスペラードはギターラ・デ・ラ・ムエルタを決めるが、これもKUSHIDAはカウント3寸前でキックアウト。続いてデスペラードはピンチェ・ロコを狙うが、KUSHIDAは切り抜けるとアームロックの体勢へ。これがかからないと見ると、KUSHIDAはオーバーヘッドキック。
そして、KUSHIDAはブレーンバスターのように抱え上げるも、デスペラードは切り抜ける。すかさずKUSHIDAはマサヒロ・タナカを狙うが、デスペラードは左ヒザにキック。そして、KUSHIDAをコーナーのイスに激突させると、雄叫びを上げて雪崩式のピンチェ・ロコを仕掛けようとする。
これを振りほどいたKUSHIDAは、雪崩式のホバーボードロックのように叩きつける。そして、デスペラードがロープに逃げようとしたところを、そのまま後方回転した勢いでデスペラードを持ち上げ、そこから一気にバックトゥザフューチャーを炸裂。KUSHIDAが3カウントを奪取し、王座防衛に成功した。
KUSHIDA「強かった、デスペラード。膝が動かない。台風直撃とか、北朝鮮ミサイル発射したり、ボクがこの間まで行っていたイギリスでテロがあったり世界情勢が動いてる中で、こうやって広島でこのベルトを賭けてタイトルマッチが出来た、それもセミで。きっとなにかしら意味があるんだ、絶対。意味があるんだ。デスペラード、この試合に懸ける意気込みはたしかに感じ取りました。この試合を経て鈴木軍へのスタンス、TAKAタイチへのスタンス、なにかしらに変化あることを期待しています。紙一重でしたね、改めて。やっぱりカレが使うモノは卑怯だとは、どう考えたってそうは思えない。長くプロレス見てるからね。小学校の頃からプロレス好きで見ていて、プロレスというのはやっぱり生き方だから。その生き方を否定する、失礼なことないでしょ。『ふざけんな!コノヤロー!』と思うけども、それはカレの生き方だからね。誰になにを言われようが人の発言に右に行ったり、左に行ったり、人前で表現する者がそうじゃダメでしょ。少なからず今日の試合がカレに変化をもたらすことを…。せっかくタイトルマッチやったんだからそれを願いますね。次の挑戦者、オスプレイかヒロム。どっちでもいいよ。このベルトに懸ける思いが強いほうとやりたいですね。チャンピオンなんで、来る者拒まず。対イングランド何勝何敗か分かりませんけども胸を張って、何度でもかかってきなさい!」
デスペラード「チクショー!アーッ!チクショー!ぶっ殺してやる!絶対ぶっ殺してやる!なにが違う!?テメェとオレはなにが違う!許さない!絶対に許さない!!」
オスプレイ「いいか? 俺とヒロムのストーリーはもう終わりだ。もうヒロムとは遊んでいられない。“ネコの話”もこれで終わりだよ。もう俺の次のターゲットはKUSHIDAに定まった。俺はKUSHIDAに負けても負けても負けても、さらに成長し続けてきた。そして、俺はそのたびに強くなって帰って来た。俺のいまの目標は、新日本プロレス・ジュニアを次のレベルに進化させること。そのためにも、次のリョウゴクでは俺がKUSHIDAのベルトに挑戦しなければいけないんだ」