Bブロック公式戦、小島聡(0勝6敗)とSANADA(4勝2敗)が新日本のリングでシングル初対決。両者が全日本プロレス時代、最後に対戦してから5年ぶりの遭遇となる。
開始のゴング、SANADAはロックアップで小島をロープに押し込むとクリーンブレイク。SANADAはバックを取るが、小島はうまく切り返してリストを取る。そしてグラウンドに持ち込むが、SANADAはロープブレイク。
SANADAが小島の首投げをハンドスプリングで切り返すと、それを皮切りに両者は技の読み合いを展開。場内からは拍手が巻き起こる。続くロープワークの展開では、小島がショルダータックル。しかし、SANADAはドラゴンスクリュー。だが、小島も同じ技を返し、さらにシャイニングウィザードを繰り出すが、SANADAはガード。そしてパラダイスロックで小島を固めると、低空ドロップキックをヒット。
ここから両者はエルボーのラリー。競り勝ったSANADAは小島にコーナーを背負わせると、相手のお株を奪うマシンガンチョップ。しかし、続く串刺しエルボーをかわした小島は、お返しのマシンガンチョップ。そして、串刺しエルボーから「いっちゃうぞバカヤロー!」の雄叫びを上げ、コーナーに登ろうとする。だが、ロープをまたいだところでSANADAが、そのロープを蹴り上げて阻止。
しかし、小島もマンハッタンドロップ。互いに股間を押さえ込むも、いち早く回復した小島がDDT。続いてコジコジカッターを狙うが、切り返したSANADAはすばやい動きからスワンダイブのミサイルキック。
ここから両者は胸板に張り手合戦。さらに小島はエルボーを放つが、SANADAはソバットで動きを止める。だが、続くSANADAのラリアットは、逆に小島が右腕にラリアットを叩きつけて阻止。続けて小島はコジコジカッター、ブレーンバスターとたたみかけていく。
小島は腕のサポーターを外すとラリアットを狙う。かわしたSANADAはSkull Endの体勢へ。これをこらえた小島に対し、SANADAはブレーンバスター、TKOとたたみかけていく。そして、Skull Endで小島を捕獲。これで小島がグロッキー状態になると、SANADAは自らほどき、ラウンディング・ボディプレスを敢行。だが、小島は間一髪でかわす。
だが、SANADAは突進してきた小島をフランケンシュタイナーで投げつけ、もう一度ラウンディング・ボディプレスへ。またも小島はよけるが、SANADAもうまく着地。すかさず小島はラリアットを振るうも、SANADAはよける。しかし、続けざまに小島は左腕で延髄ラリアットをヒット。
ここで小島はもう一度ラリアットを狙う。だが、SANADAはドロップキックで迎撃。しかし、小島は倒れず、負けじとラリアットへ。これをSANADAは切り抜けてSkull Endの体勢へ。しかし、小島は切り返してCCDを炸裂。
ここを勝機と見た小島はラリアットを狙うが、SANADAはガード。しかし、小島は左腕でラリアット。これをカウント1で返したSANADAに対し、小島は完璧なラリアットをヒット。見事カウント3を奪い、価値ある1勝をスコアした。
試合後、場内が「小島」コールに包まれる中、小島は堂々と勝ち名乗りをあげた。
小島「どうして、どうして俺が勝てたか、わかりますか? どうして、ずっと6連敗してる俺が、勝てたかわかりますか? それは、SANADAにだけは死んでも負けたくないって思ってた。たぶん全世界のプロレスラーの中で、俺が一番、SANADAに負けたくないって思ってるプロレスラーだからだ。だから、負けないで頑張ってきた。だから頑張って、負けないで、勝つことができた。それはたぶん俺の心の中で、絶対にSANADAに対しての思いは、ほかのどのレスラーにも譲れないという強いものがあったからだ。SANADAはたぶん、なんとも思ってないよ。きっと、(小島は)もう、ロートルの、新日本プロレスの、もうそろそろ行き場のなくしてるプロレスラーだと思ってるかもしれない。でも、俺はどう思われても構わないから。俺はいろんな人のために闘う。自分のため、応援してくれるファンのため、そしてそばにいる天山のため。いろんなものを背負って、今日も闘ってきた。1回もあきらめないで、ずっと負けてきたけど、ずっとあきらめないで闘ってきた。だから今日、勝つことができたんだ。ありがとうございました」
天山「いやあ、ホントに、やっとコジの剛腕が火を噴いて、勝ってくれて……。すごい、あの、ずっと連敗が続いてて。でも、コジの力っていうのはこんなもんじゃないって思ってたし、最後の最後まであきらめないでほしいですね。しっかり、今日なんかも、やっぱり自分もセコンドに付いて、なんとか力になりたいって思って付いてましたけど、最後ガッチリと押さえ込んでね、スリー(カウント)入ったときは最高にうれしかったです。やっと1勝目ですけども、この1勝、大きいですよ。コジにとったら、連敗してるかもしれないですけども、やっと(勝利を)獲れて、それも一番負けたくないSANADAって相手に勝って、しっかり『G1』で生きてるんや、コジは『G1』を闘ってるんやっていうのを実感してると思うし、それをやっぱり全面的にバックアップして、いつでも俺は全力で応援してるし、(リーグ戦は)まだまだあとふたつですかね? あとふたつ、(残りの相手は)一筋縄ではいかないですけど、しっかりとコジのこれまでのキャリア、経験、いろんなもの全部、この2戦にしっかりと相手にぶつけてもらって、最後の最後まで自分もしっかりと、コジを全身全霊込めて応援したいなと思います。ああもう、やっと勝ってくれて、もう、すごく最高ですね。お客さんもコジの連敗が続いてる、その中ですごく期待する感じありましたから。すごくヒシヒシ感じたしね。なんとしても今日は勝ってほしかった。最高の勝利です。まだまだ、まだまだ終わんないから。あとふたつ勝つ。ガッチリ勝ってほしいですね」
――やっと試合後に小島選手の手を挙げられましたね。
天山「そうですね、それがね、もう、試合の最後に“勝どき”をあげて、コジの腕を上げることができて、最高ですよ。連敗はコジにとって、精神的にも結構、落ち込んでるっていうのを、結構、普段の生活であんまり見せないタイプなんですけど、近くにいるとこう、感じる時あったし、なんとしてでも吹っ切ってほしいっていうかね、ひとつでもふたつでも勝ってほしい、勝ってリズムっていうか、勢いをつけていってほしいなって思ってましたから。これで勝って、残り2戦ですけども、しっかりとコジをヘルプしたいなと思います」
SANADA「小島聡戦に関して言えば、小島聡も、俺も、2人にしかわからない“何か”があったんだと思います。たぶんお互い、この一戦は特別な思い入れがあったんじゃないかな?と。ま、それだけですね…」