現地時間・4月1日、アメリカ・フロリダ州レイクランド・レイクランドセンター(観衆4000人=超満員)で行われたROHの『SUPER CARD OF HONOR』に、新日本マットでおなじみの選手たちが参戦!
BULLET CLUBのタマ・トンガ、タンガ・ロアはハングマン・ペイジとタッグを組み、ROH世界6人タッグ選手権に挑戦!
日本でもおなじみのウィル・オスプレイは、ボラドール・ジュニアとハイフライコンビを結成。
対するは、高橋ヒロムとのベルト争いの記憶も新しいドラゴン・リーが、海外修行中のジェイ・ホワイトと組んで、タッグマッチで激突し、会場を沸かせた。も
クリストファー・ダニエルズ、ブリスコ兄弟、ボラドール・ジュニアなども参戦した『SUPER CARD OF HONOR』を現地からリポート!
■ROH『SUPER CARD OF HONOR』
開催日時:現地時間4月1日(土)18時30分試合開始
開催場所:アメリカ・フロリダ州レイクランド・レイクランドセンター(観衆4000人=超満員)
▼ROH世界6人タッグ選手権試合(時間無制限1本勝負)
<王者チーム>ブリー・レイ&ジェイ・ブリスコ&○マーク・ブリスコvsタマ・トンガ&●タンガ・ロア&ハングマン・ペイジ<挑戦者チーム>
13分16秒、片エビ固め
※スーパー3D。第2代王者チームが初防衛に成功
レフェリー:ポール・ターナー
新日本からはKUSHIDA、海外遠征中のジェイ・ホワイトもエントリーし昨年末から開催されていたROH6人タッグ王座決定トーナメント。優勝して初代王座に就いたのは新生キングダム(マット・ターバン&TKオライアン&ビニー・マルセグリア)だったが、3.11ラスベガスで組まれた初防衛戦でオライアンが左足を骨折。ブリー・レイ&ブリスコ兄弟(ジェイ&マット)に早くも王座は移動した。
1.4東京ドームでIWGPタッグ&6人タッグ王座から転落して無冠となって一時の勢いが失われてしまったと思われたBULLET CLUBにとって巻き返しにもってこいのベルトとあって、G.O.D(ゲリラズ・オブ・デスティニー=タマ・トンガ&タンガ・ロア)が挑戦に名乗りを上げて実現した。
試合前のVTRではレイのインタビューが流されたが、そこではG.O.Dについて解説。そこで強調したのは「彼らは俺と兄弟(ディーボン)の生徒だった」こと。
タマとタンガはプロレス入りするにあたって、ホームタウンであるフロリダ州キシミーで開設されていた「チーム3Dアカデミー」の門を叩いた。そこで1からプロレス人生をスタートさせている。
試合開始直後は控えに回っていたレイ。G.O.Dは昨年、IWGP王座をめぐってブリスコ兄弟との因縁も生じていることから激しくやり合った。それはパートナーのハングマン・ペイジの存在を忘れさせるほどのものだった。
コーナーから指示を飛ばしていたレイだが、頃合いを見計らってタッチを受けてリングインすると、タマとタンガに向かって「10年前のことを忘れないだろうな」と過去の記憶を突き付け、握手を求めた。しかし新日本の道場で「師匠に勝つことが恩返し」との教えをすり込まれているタマはそんな精神的な揺さぶりには動じず。握手に応じながらも、逆にこのチャンスを逃すまいと師匠に激しい攻撃を仕掛けていった。
何度も「クソッ!」と漏らしながらかつての生徒の攻撃を浴びていたレイ。あの頃と違って、プロレスラーとしてずっと成長していると感じたからか、レイも激しい攻撃で応戦。それだけに遠慮なく闘えると、コーナーからフライング・ボディーアタックを見舞うほどだった。
「GET THE TABLE!」の掛け声も聞かれたが、BULLET CLUBトリオはテーブルをリングに持ち込ませることさえもさせず。ペイジもG.O.Dの2人に触発されたのか、レイに積極的に攻撃を仕掛けていった。
チームワークもほぼ互角。このまま勝負がつかないのではと思われたが、レイがタマを、ジェイがペイジを肩車したところでマークがコーナーからフララング・ラリアットを見舞って分断に成功。このチャンスにスーパー3Dをタンガに決めて王者チームが初防衛に成功したが、試合後、ベルトを受け取ったレイは息遣いが粗く、観客の感性に応えながらも片ヒザを着いていたほどだった。
▼タッグマッチ(時間無制限1本勝負)
ウィル・オスプレイ&○ボラドール・ジュニアvsドラゴン・リー&●ジェイ・ホワイト
13分32秒、片エビ固め
※飛びつき雪崩式スーパーフランケンシュタイナー
※レフェリー:ポール・ターナー
第6試合には海外遠征中のジェイ・ホワイトを含め、メキシコ、イギリス、ニュージーランドを代表する4選手が、新日本ジュニアというエッセンスを共通項にしたファイトを繰り広げた。すっかりパワフルな攻撃を身につけたホワイト。そこに2人のルチャドールとオスプレイの空中殺法が絡まり、観客から何度も「This is Awesome!」チャントが沸き起こる試合となった。
ドラゴン・リーvsボラドール・ジュニアの顔合わせになると、まさに本場ルチャ・リブレ直輸入の闘いになるのだが、ここはアメリカ。ノータッチでの交代は認められないので、調子に乗ってしまうと反則を取られたり、権利がないのに相手をカバーしてしまったりで、それがチームワークにまで影響してしまう。
それでも、21世紀の新日スーパージュニアタッグマッチともいうべき闘いが繰り広げられ、観客から「Match of the Show!」(今日のベストバウトだ!)の声も飛んだほど。まさにノンストップバトル。
最後はボラドールがコーナー最上段に上がったホワイトに対し、トップロープに反動を利用して飛びついてのフランケンシュタイナーを放った。ロープの反動とのタイミングがずれたため、相手の頭部ではなくボディーを挟む形で叩き落としたが、それでも衝撃度は落ちることはなかった。
どうしてもアメリカンプロレスではベビーフェースとヒールの闘いが中心となるが、技術の攻防で沸かして、試合後はノーサイド。新日本ジュニアがフロリダに爽やかな風を吹き込んだ。
▼ROH世界選手権試合(60分1本勝負)
○クリストファー・ダニエルズvs●ダルトン・キャッスル
15分52秒、エビ固め
※ダルトンのジャーマンスープレックス狙いを丸め込む。第26代王者が初防衛に成功
※レフェリー:トッド・シンクレア
2002年2月23日(現地時間)、ペンシルベニア州フィラデルフィアで開催されたROHの記念すべき旗揚げ戦。クリストファー・ダニエルズは、そのメインイベントのリングに立っていた。あれから15年。記念すべき15周年興行(3・11ラスベガス)でようやく手に入れたのがROH世界王座だった。
デビュー以来、数々の団体で闘ってきたダニエルズだが、トップクラスの団体の看板王座を獲得したのはこれが初めて。それだけに喜びもひとしおで、1日でも長く保持していたいとの思いは強い。
初防衛戦の相手はダルトン・キャッスル。アマチュアレスリングを色濃く出しながらも、自らのキャラクターをも意識した闘いは、ROHのみならず、全米を見渡しても異色のレスラーだ。
それだけに試合はテクニックとテクニックのぶつかり合いとなった。スープレックスを主体とした投げ技、コーナーを利用しての攻撃やダイナミックな空中殺法、相手の動きを読んでの攻撃など、アメリカでは珍しく、溜息にも似た声が上がったほどの一戦となった。
キャッスルの必殺技であるバン・ア・ラン、ダニエルズのコウジクラッチも決め手にならず。キャッスルが仕掛けてきたジャーマンスープレックスを足をばたつかせて防いだダニエルズが、前方に回転して丸め込むとカウント3が数えられ、終止符が打たれた。
試合後、ベルトを受け取ってキャッスルの健闘をたたえていたところでCODYが襲撃。ダルトンに急所蹴り、ダニエルズにクロスローズを決めてKO。ダニエルズのタッグパートナーであるフランキー・カザリアンが救出に飛び込んで来ると、足早に逃げていった。
この行動で、CODYがROH世界王座にターゲットを絞り、本格的にタイトル戦線に名乗りを上げた。
■全試合結果
・ROH世界TV選手権試合(30分1本勝負)
○<王者>マーティ・スカールvs●アダム・コール<挑戦者>
13分10秒、チキンイングフェースロック
※第14代王者が7度目防衛に成功
※レフェリー:ポール・ターナー
・タッグマッチ(時間無制限1本勝負)
○サイラス・ヤング&ビアシティ・ブルーザーvsマット・ターバン&●ビニー・マルセグリア
7分55秒、片エビ固め
※ミザリー(ファイアーマンキャリーカッター)
※レフェリー:トッド・シンクレア
・ROH世界6人タッグ選手権試合(時間無制限1本勝負)
<王者チーム>ブリー・レイ&ジェイ・ブリスコ&○マーク・ブリスコvsタマ・トンガ&●タンガ・ロア&ハングマン・ペイジ<挑戦者チーム>
13分30秒、片エビ固め
※スーパー3D。第2代王者チームが初防衛に成功
レフェリー:ポール・ターナー
・テキサスブルロープマッチ(時間無制限1本勝負)
○ジェイ・リーサルvs●CODY
17分30秒、体固め
※リーサルインジェクション
※レフェリー:トッド・シンクレア
・オープンチャレンジマッチ(時間無制限)
○ボビー・フィッシュvs●サイラス・ヤング
2分45秒、反則勝ち
※レフェリー&サブレフェリー暴行
※レフェリー:ポール・ターナー
・時間無制限1本勝負
ウィル・オスプレイ&○ボラドール・ジュニアvsドラゴン・リー&●ジェイ・ホワイト
14分6秒、片エビ固め
※飛びつき雪崩式フランケンシュタイナー
※レフェリー:ポール・ターナー
・ROH世界選手権試合(60分1本勝負)
○クリストファー・ダニエルズvs●ダルトン・キャッスル
15分23秒、エビ固め
※ダルトンのジャーマンスープレックス狙いを丸め込む。第26代王者が2度目の防衛に成功
※レフェリー:トッド・シンクレア
・ROH世界タッグ選手権試合=ラダーマッチ(時間無制限1本勝負)
○<挑戦者チーム>ニック・ジャクソン&○マット・ジャクソンvs●マット・ハーディ&ジェフ・ハーディ
25分25秒、ベルト奪取
※第47代王者チームが3度目の防衛に失敗、ヤングバックスが第48代王者チームに
※レフェリー:トッド・シンクレア、サブレフェリー:ポール・ターナー
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