10月3日、新日本プロレス事務所にて、記者会見が開かれ、ケニー・オメガ選手がこの10月でDDTとの選手契約を満了。今後は、新日本プロレスを主戦場としていくことが明らかになった。
■飯伏幸太選手の契約に関して
——昨年の10月、この場におきまして、新日本プロレスと1年契約を交わし、2団体同時契約となった飯伏幸太選手ですが、この度、新たに1年更新の契約となりましたことをここにお伝え申し上げます。ではこの件を受けまして高木社長よりコメントをいただきたいと思います
高木「そうですね。飯伏の契約に関しましては、特になにも支障がなかったので、1年契約を更新させていただきました」。
■ケニー・オメガ選手に関してのコメント
■高木社長のコメント
高木「その、本日なんですけども、例年、弊社では1月に選手及び、参戦選手の契約を行っておりました。ケニー・オメガ選手とも、所属という契約ではなく、レギュラー参戦契約というのを結んでたんですけども。来年からですね、1月の契約更改が3月にウチのほうの事情で変わることになりまして、ちょうど半年前になる先月の中旬に、所属選手及び、契約を交わしてる選手を集めまして、中間面談を行ったんですけども、その席上でケニー・オメガ選手の方から『新日本プロレスさんの方で闘いたい』という申し出がありまして、一応本人とも話をして、非常に決意が固いということで、ウチの方の旨をですね、ちょっと新日本プロレスさんの方に打診させていただいたところ、快く了承していただいたので、DDTプロレスとケニー・オメガとの参戦契約は10月一杯をもちまして終了させていただくことになりました。
その10月26日にDDTの後楽園ホール大会があるんですけども、そこで行われますケニー・オメガ&飯伏幸太組 vs 男色ディーノ&竹下幸之介のエニウェアフォールタッグマッチがラストマッチとなります。突然なことでびっくりされた方もいらっしゃると思いますけども、ウチとしても契約期間は来年の1月までもちろんあったんですけども、本人の意思もあり、希望を受け入れて、『どんどん闘いの場を新しいところに広げていってもらいたいな』ということで、快く了承させていただきました。新日本プロレスさんの方も申し出の方を快く了承していただき感謝しております。私の方からは以上です」
■菅林会長のコメント
菅林「いま、高木社長がおっしゃった通りなんですけども、9月半ばにですね、お話をいただきまして、少し驚いたんですけども。こんな素晴らしい選手が上がっていただけるということですので、すぐに社内で話し合いをしましたけども、全員賛成で『来ていただこう』ということになりまして、こういう形になりました。非常に期待しております。以上です」
■ケニー・オメガ選手のコメント
ケニー「もちろん、今まで新日本は何回も出たことがあるんですけど、それはゲストとして、という感じでした。いまこそ、胸を張って新日本の新メンバー(になる)と言えます。一年に1度、『BEST OF THE SUPER Jr.』(以下、『BOSJ』)自分の力を試すことができた。でも今年の『BOSJ』が終わってから、もっと出来る気がして、もっともっと新日本の試合がしたいと思いました。本当は日本だけじゃなくて、世界のトップクラスの選手は新日本にいると思います。日本人選手も外人選手もみんなトップクラス。だからこっちで新日本でがんばって、ジュニアとしてケニー・オメガはトップクラスっていうことをみせたいと思います。
もちろんこれからは新しいスタート。ハードワークして、ファンたちをガッカリさせないように頑張ります。あとはDDTを離れることは辛くて、寂しいですけども、私のいまのコンディション、アスリートとして、コンディションのピークはいまだと思いますので、もしいま100パーセント限界まで挑戦しないと、なんか自分でガッカリするかもしれない。改めてこれからは新しいスタートだから、よろしくお願いします」
■記者からの質疑応答
——飯伏幸太選手は「2団体所属」という形で、新日本プロレスとDDTで活躍してますが、ケニー選手は2団体所属ということは考えませんでしたか?
ケニー「そうですよね。飯伏さんはスゴイ。なんでもできる。私はちょっと違うものなんですよ。私が目標を100パーセント集中しないと私がうまくいけない。だから絶対成功するように、私はいまから新日本の道へ100パーセント集中したいです」
——高木社長もそういったケニー選手の気持ちをくみ取って、今回の決断をされたということでしょうか。
高木「そうですね。ボクは基本的には選手の意志を尊重したいということで。去年の飯伏の場合は、飯伏本人は最初は打診があった時に、『いや、自分は新日本さんに所属になることは選ばないです』ということだったので、菅林社長から2団体所属という提案があって本人に伝えて、本人は割と迷っていた部分もあったんですけども、『せっかくなんで、こういう話をもらえる機会もないんでやってみたら』というボクの後押しもあって、今回の2団体所属になったっていう部分もあるんですけど。
ケニーの場合は初めから『新しい場所で自分でチャレンジしたい』という希望があったんで。自分はやっぱリングの中心にいるのは選手なんで、その人が望むのであれば、それを実現させてあげたいと思ってますし、通常ならばウチで活躍してた選手をっていうのは、一昔前だったらちょっと問題になってもおかしくなかったと思うんですけど、でも快く受け入れていただいて、その辺は感謝してますし、ボクらも全く変なアレはなくて、ただケニーが新日本プロレスでチャレンジしたいというところをくみ取ってのことなので」
——新日本に移籍してタッグマッチをする際は、飯伏選手と組んで『ゴールデン☆ラヴァーズ』としてやっていきたい気持ちはありますか?
ケニー「そうですね。飯伏さんはいま、ヘビー級選手になったばかりだから、私はもともとジュニアでチャレンジしたいから。もちろんいつかはまた新日本で『ゴールデン☆ラヴァーズ』組んでもいいっすけど、いまはジュニアで試合をしたい。だからもしタッグだったら、新しいパートナーを探すしかない」
——新日本プロレスには本隊・CHAOS・BULLET CLUB・鈴木軍とユニットがたくさんありますが、ケニー選手の希望はありますか?
ケニー「そうだよね。うーん……BULLET CLUBのことを考えたら、私とBULLET CLUBはあんまり似合わない。私も、もう6年間、日本で試合をしたから、普通の外国人じゃないのを感じます、心の中に。だから、私が新しいケニー・オメガで100パーセント、がんばりたいだけです」
——「ジュニアでやってきたい」ということは、当面の目標はIWGPジュニアのベルトですか?
ケニー「ですよね。いまいる新日本のトップジュニア(田口隆祐)を倒しているから自信があるし、できるだけ早くベルトを狙います。もちろんベルト獲りたいです」
——菅林会長も、ケニー選手にそれだけの実績はあると認めている?
菅林「ありますね。十分すぎるほどあると思いますよ」
——ケニー選手、DDTファンに伝えたいことはありますか?
ケニー「DDTのファンには、何しても、どこにいっても、まだずーっとDDTをサポートしてほしいです。そして私のキャリアのほとんどはDDTだったから、私がどこにいっても応援できれば応援してほしい。そして、もちろん私はこれから新日本なんですけれども、DDTもうまくいってほしいし、若い選手と飯伏選手でも全員でもみんなが仲がいいから、いまの気持ちは全部ポジティブな、ウン」
——新日本プロレスのファンに見てほしいところはありますか?
ケニー「そうですね。いままでは一年に1回だけしか新日本に出ることができなかったから、もっと自分のスタイル、自分のプロレスをみせたいし、もちろん新日本のケニー・オメガを見たことがないファンを作りたいです。だからそれをすごい楽しみにしてます」
——菅林さん、ケニー選手の具体的な参戦時期は決まってますか?
菅林「先ほども言った通り、9月後半の急な話で決まったもので、今のところまだ白紙ですね。検討中です」
——ケニー選手の契約形態に関しては具体的に決まってますか?
菅林「それも含めてこれからなんですけども、ただ通常の契約になるかなと思います。それもまだ話し合いをしてないので」
撮影/山本正二