当日発表だった相手は、なんとDDTで活躍するアントーニオ本多。試合は、中盤に負傷箇所の首を狙われた天山がピンチを迎えたが、超満員札止めのファンから「天山」コールを受けて、最後はTTDからアナコンダバイスで完全勝利! 大会終了後に、あらためて試合のコメントを発表した。
天山「(立ち上がって、涙を浮かべながら)凄く、長い、時間でした……。やっと、この日が……(涙を流して)。リングに帰れることができて、最高にうれしいです。また、よろしくお願いします(一礼して着席)」
■報道陣との一問一答
——リングに立った気持ちは?
天山「震えが止まらなかったですね……。もう失敗は許されないというか。自分でも、ガムシャラに……(言葉を詰まらせて)。やるしかないっていう……」
——首を攻められましたが?
天山「いや、相手のアントーニオ選手が、凄いガンガン来てくれましたし。もちろん自分も倒すつもりでガンガン行きました。攻められると、首はキツイ場面もありましたけど。あんなにたくさん応援してくれるお客さんがいて。やられても絶対に負けたくないっていう気持ちでした」
——最後は、二つの必殺技を連発したが?
天山「そうですね。いままでの自分の技を出し切りたいっていうのもあったんで。とにかく一発一発を完璧に決めたかったというのがありました。相手が誰だろうが、全力でいくつもりでいたんで。最後の最後までガッチリ決めることができた。勝つことができて、最高です。
……ただ、復帰したからには、これからスタートって気持ちです。新しい自分の、天山広吉、もう一度ビックカムバックを一気にいきたいと思ってるんで。ドンドンこれから、『NEVER』をスタートに本隊にも乗っていきたいし、もう一度、天山広吉を花開かせたいと思ってるんで。もう一度、一生懸命……天山、暴れたいと思います。よろしくお願いします(一礼して)」
——『G1』を3度、優勝した男が新木場で復帰、というのはドラマチックですが?
天山「いや、もう……会場入りから始まって、試合が近づくにつれて、この一年のあいだの思いがね……。いろんなこと思い出して、ツライことばっかりでここまできて。もうリングに上がれないんじゃないかっていう不安な気持ちがあってね。自分でも自暴自棄になって……(涙をこらえて)。最後まで、あきらめないで、ここまできたっていうのが。まだまだ終われないという気持ちでやってきましたけど。あんなにたくさんのお客さんが応援してくれて……ホント幸せです。ありがとうございました(言葉を詰まらせて)」
——終盤、モンゴリアンチョップを打つときに万感の思いのような表情だったが?
天山「そうですね。モンゴリアンは、やっぱりね。自分にとって、ホントに大事な技なんで。ここってときに出さなきゃいけない。ビシッと決めたいしね。そういう意味でも完全に力が戻ったというのが、自分でもわかったんで。いろんな技を出せたというのが自信になったんで。……とにかく、またここから這い上がってみせたい」
——相手のアントーニオ本多選手に関しては?
天山「NEVERっていうリングに上がってきてくれて、自分の相手をしてくれて、敵ながらホントに感謝してます。自分を潰しに、遠慮なく来てくれましたし。ホントにまた機会があれば、どっかでブツかりたいと思います」
——手術前は、モンゴリアンが上がらなかったようだが、今回は気にならなかった?
天山「まったく気にならないということもなかったんですけど、リングに上がったら、目に見えない、お客さんの凄い後押しっていうのがね。イケイケっていうのがあったし。もう、自分の中でもダメかと思ったけど、最後の力を出せた。これからは弱音をはかないで、ガンガンいきたいと思います」
——今回が、完全復活?
天山「そうですね。とにかくドンドン上を目指してやっていきたいと思うんで。ホントに、本隊で、いま一番やりたい男は……小島聡ですね。……俺がいないあいだに新日本に戻ってきて、『G1』とIWGPを獲って、いま新日本のトップになっているという。自分の中では、ホントに腹の中が煮えくりかえってます。今日、カムバックしたんだから。こっから、アイツ狙いで、小島の首を狙っていくしかないと思ってるんですけど。会社には、次は小島とやらせてくれ、と言いたいと思うんで。向こうはチャンピオンですから、簡単にはいかないと思いますけど、また新日本のリングで復活した以上は、チャンピオン、小島を狙っていきたいと思います」
——小島選手の活躍が復活のモチベーションになった?
天山「欠場中、いろんな流れがありましたし。その中で、小島っていうのは、特別な存在でしたから。まったく気にならないことはない。逆に気になって、しょうがなかったですね。今日、復活した以上は、小島聡を追い詰めていきたいと思います」