6月23日(土)、横浜赤レンガ倉庫イベント広場で『鈴木みのるデビュー30周年記念野外フェスティバル 大海賊祭』が開催された。このイベントは地元横浜出身の鈴木を中心に企画・運営され、さまざまなアーティストやアスリートが参加。
その企画の一つである『大海賊プロレス』に、CHAOSのオカダ・カズチカ、そして鈴木軍のK.E.S(ランス・アーチャー&デイビーボーイ・スミスJr.)が参戦。生憎の雨模様となるも、そのシチュエーションが大観衆(主催者発表・18,000人)の一体感を生み、イベントは大きな盛り上がりを見せた。
『大海賊プロレス』のメイン(第3試合)では「鈴木みのるデビュー30周年記念試合」として、30分一本勝負で鈴木とオカダが激突。これまで何度も死闘を繰り広げてきた両雄、直近では昨年の『G1』公式戦(8.8横浜文体)で30分フルタイムドローの結果を残している。
まず、ミュージシャンの中村あゆみさんが生で熱唱する『風になれ』をバックに、鈴木が白いコスチュームに銀髪姿で登場。古くはモーリス・スミス戦、近年では桜庭和志戦と、ここ一番での出で立ちにこの戦いへの決意が見える。
続いて、土砂降りの模様の中、オカダが“カネの雨”が舞い散る花道を入場。6.9大阪城でケニー・オメガに敗戦して以降、コーナーに上がってのアピールは見せていなかったが、今回はリングインするとコーナーに上り、雨空に向け両手を広げてポーズ。
続いて中村さんの選手コールで始まった一戦は、互いに牽制しあう静かな立ち上がり。そこから雨に濡れたマットでグラウンドの攻防を展開したのち、エルボー合戦へ。一撃ごとに水しぶきを上げながら意地をぶつけ合うと、続いて場外戦に突入。鈴木はラフファイトで主導権を握ると、レインメーカーを封じるべくオカダの右腕にターゲットを絞り、ダメージを蓄積させる。オカダも首攻めで反撃するも、雨に足を取られ滑った瞬間に、鈴木がスリーパーで捕獲。だが、続くゴッチ式パイルドラバーは、オカダがリバースネックブリーカーで切り返す。
雨が強さを増すごとに、攻防もどんどん白熱。鈴木はエグいエルボーでダウンを奪うと、ふらつくオカダを立ち上がらせる。しかし、オカダは不意打ちのショートレンジラリアット。同じ技をもう一度食らわせ、一気にレインメーカーを仕掛けるが、鈴木は回避。ならばとオカダは雨でバランスを崩しながらも、ドロップキックを炸裂。すると鈴木も意地をムキ出しにしてドロップキックをヒットさせる。
25分経過のところで鈴木はゴッチ式パイルドラバーの体勢に入るも、こらえたオカダは、vs鈴木戦用の秘策であるゴッチ式ツームストンパイルドライバーを敢行。そして、勝負をかけてレインメーカーを繰り出すも、鈴木はカウンターの張り手で動きを止め卍固めへ。
そこから鈴木はグラウンド卍固めで絞め上げるが、オカダも執念で耐えきり、ここでタイムアップ。両雄の対決は2試合連続、同じ横浜の地で時間切れ引き分けに。
試合後、花道を引き上げるオカダには大きな拍手と「オカダ」コールが送られた。そして、鈴木は以下のマイク。
「惜しかった、がんばったなんてどうでもいい。勝たなきゃ意味がねえんだ。(子どもたちに向けて)ガキども、世の中出たら勝ち続けなきゃ上にいけねえんだよ。俺が言いたいのは世の中そんなに甘くない。オイ、しょぼくれた中年ども。俺は50になったが、相手が20でも30でも誰にも負けねえ! 俺はほしいものを全部持っていく。IWGPヘビー? ……アレは俺が予約済だ(観衆どよめく)。オイ、テメーら、これで帰るわけじゃねえよな? このあともすげーヤツらが出てくる。祭りはまだまだこれからだ!(観衆大歓声)」
そして去り際に、さりげなく「サンキュー…!」と一言残し、リングをあとにした。
第2試合ではK.E.Sが、鈴木のパンクラスでの後輩にあたる佐藤光留&ロッキー川村組と対決。アーチャーはズブ濡れの観衆に、いつものように豪快に水を撒き散らしながら入場。
体格に勝るK.E.Sはパワフルな攻撃で相手チームを圧倒。佐藤がキック、ロッキーがパンチで活路を見出そうとするも、一撃の重さで相手を黙らせ、最後はキラーボムで佐藤を撃沈。完勝といえる内容で“ボス”の30周年に花を添えた。
■『大海賊プロレス』
神奈川・横浜赤レンガ倉庫イベント広場
■鈴木みのるデビュー30周年記念試合 30分一本勝負
鈴木みのるvsオカダ・カズチカ
△鈴木(時間引き分け)オカダ△
■30分一本勝負
ランス・アーチャー&デイビーボーイ・スミスJr. vs 佐藤光留&ロッキー川村
○スミス(キラーボム)佐藤×
★「大海賊祭」ホームページはコチラ!
http://www.piledriver.jp/event/gp/