昨年末、公式サイトにて「クリス・ジェリコとは何か?」を徹底解説して頂いた“プロレス評論家”斎藤文彦(フミ・サイト―)氏と、“逸材”こと棚橋弘至選手の初対談が実現!
新日本プロレスのエースでありながら、アメリカンプロレスのエッセンスを持つ棚橋選手と、アメリカンプロレスに詳しい斎藤文彦氏が“濃厚トーク”を展開! まずは「前編」をお届け!
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撮影/笹井タカマサ
今回は、今年4月にニューオリンズでWWE『レッスルマニア 34』を観戦した棚橋選手の感想、さらに新日本マットでの今後の逸材の立ち位置など、後編も二人の濃厚トークが展開!
撮影/笹井タカマサ
■斎藤「おそらくクリス・ジェリコの次なるテーマは、棚橋選手への興味に向かっていると思いますよ」
──前回は、フミさんから「40代だからこそできるプロレス」というお話がありました。クリス・ジェリコ選手に関するインタビューの時にも、「彼はその世代、その世代にフィットしたプロレスをする」と語っていましたね。
斎藤 そうなんですよ。クリス・ジェリコは、かつてのスーパースター、ノスタルジーにされちゃうのが嫌いなんですよね。
棚橋 それ、わかります。ボクも「常に全盛期でいたい」という気持ちがありますから。
斎藤 そこはジェリコと共通していますね。おそらくクリス・ジェリコの次なるテーマは、棚橋選手への興味に向かっていると思いますよ。
棚橋 だとしたら、うれしいですね。
斎藤 新日本プロレスで一番クラシカルなレスリングができるのが棚橋選手ですし、彼の中でのメインイベントとして取っておいてあるのかもしれない。やっぱりジェリコにしてもレイ・ミステリオにしても、WWEの前に日本マットでのヒストリーというものがありますから。ジェリコなんか、若い頃に来日していた時には、錦糸町や東陽町のWARの定宿の安いビジネスホテルに90日ずつ滞在していたわけですからね。
──そういうWWE“前史”があったからこそ、いまでも日本マットがアンテナに引っかかるということですか?
斎藤 そうでしょうね。それから、ジェリコが他の人と違うのは、WWEスーパースターいうのはなるだけでも凄いんだけど、普通は“ワン・オブ・ゼム”になっちゃうんですよ。要するに、たくさんいる中の一人になっちゃう。たいていのレスラーにとっては、WWEに所属できること自体がハッピーかもしれないですけど、ジェリコは「俺は違うんだ!」って思うタイプだから。実際に「俺は違うんだ!」という状況にしているし、もう存在感からして別格ですからね。
棚橋 凄いですよね、あの影響力は。
──新日本プロレスとWWEを行き来できているという時点で、かなりの“別格感”がありますよね。
斎藤 ジェリコは直接、ビンス・マクマホンの携帯電話を鳴らせる世界じゅうで何人かのうちの一人ですからね。
棚橋 それは凄いなあ。でも、ジェリコのプロモーションのやり方は本当にうまいですよね。今年の1.4東京ドームの前に、「俺とケニーの試合はこうやって観ろ」みたいな感じで、わざわざ新日本プロレスワールドの入り方を教えてくれたりもしたし。
――実際、それで北米のプロレスファンの加入率がグンと上がりましたからね。
棚橋 Twitterのフォロワー数だって300万人を超えてますもんね。あの影響力はやっぱり凄いですよ。
■棚橋「興行や大会の規模はたしかに負けていますけど、全体の興行の満足度とか試合のクオリティは「『全然負けてねえや』と」
──そのTwitterでも話題になりましたけど、棚橋選手は今年のROHのニューオリンズ大会で試合をしたあと、『レッスルマニア 34』(4月8日、ニューオリンズ・メルセデス・ベンツ・スーパードーム)の観戦に行かれたじゃないですか。「世界最大のプロレスイベント」と言われる大会を生でご覧になってのご感想は?
棚橋 一番の目的は、「中邑(真輔)がアメリカのファンにどのように迎えられているのか」っていうのをこの目で観たかったんですよ。ただ、やっぱり7万8000人、超満員の光景は壮観でしたね。くやしいけど「イベントの規模が一ランク違うな」とも思いました。で、中邑の入場もキラキラしていましたしね。
斎藤 中邑真輔が出てくるところを客観視している感じですか?
棚橋 ハイ。でも、ボクはどうしても新日本プロレス所属レスラーとしての視点になってしまうので。実際に『レッスルマニア』を観戦してみて、興行や大会の規模はたしかに負けていますけど、全体の興行の満足度とか試合のクオリティは「全然負けてねえや」とは思いましたね。
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