昨年末、公式サイトにて「クリス・ジェリコとは何か?」を徹底解説して頂いた“プロレス評論家”斎藤文彦(フミ・サイト―)氏と、“逸材”こと棚橋弘至選手の初対談が実現!
新日本プロレスのエースでありながら、アメリカンプロレスのエッセンスを持つ棚橋選手と、アメリカンプロレスに詳しい斎藤文彦氏が“濃厚トーク”を展開! まずは「前編」をお届け!
※WEBサイトで序盤部分を無料公開!
撮影/笹井タカマサ
■斎藤「チャンピオンベルトを持っていようがいまいが、新日本のナンバーワン、いや日本のプロレス界ナンバーワンは棚橋弘至なんです」
──まず、今回なぜ、このお二人の対談が実現したのかを読者の方々に説明しますと、昨年末に新日本プロレスのスマホサイト用のインタビューとして、クリス・ジェリコ選手に関して、フミさん(斎藤文彦さんの愛称)にお話を伺ったんですね。
斎藤 ハイ。インタビューして頂きましたね。
――そのインタビューを読んだ棚橋選手から、「フミさんの記事、とても良かったです」というお言葉をいただいたんですが、棚橋さんはもともとフミさんの記事の熱心な読者だったんですよね?
棚橋 そうですね。とくに『週刊プロレス』のコラム(「ボーイズはボーイズ Boys Will Be Boys」)は、よく読ませて頂いてました。
──ただ、フミさんがアメリカンプロレスの専門ということもあり、なかなかこれまで直接の接点はなかったと。
斎藤 ハハハ。アメリカンプロレスだけが専門というわけではないのですが、ボクが『週刊プロレス』で新日本プロレスの試合リポートを書くという機会がそんなになかったから。でも、かつては書いていたんですよ。80年代、90年代は『週プロ』で武藤(敬司)さんやハセケン(馳浩&佐々木健介/ともに引退)の試合リポートを普通に書いていた時代もあったんですけどね。
棚橋 なので、接点という部分ではボクが一方的にフミさんの読者だったということですね。
──ただ、棚橋さんからもPodcast(『棚橋弘至のPodcast Off!』)で「ぜひ、フミさんにお会いしたい」というお話があったので、今回はお二人の対談をセッティングさせていただいたんです。
棚橋 ありがとうございます! そのスマホサイトに掲載されたインタビューが、ジェリコ選手を知らない新日本プロレスのファンに向けた内容で、もの凄くわかりやすくて。
斎藤 あ、そうでしたか。やっぱりボクたちが思っているよりも、いわゆる“新日本ユニバース”からのそういう需要は多いんですね。
──“新日本ユニバース”というのは、フミさんがよくおっしゃっている「新日本プロレスしか観ないファン」の総称ですね。
棚橋 だから、とても丁寧にジェリコ選手の凄さやヒストリーを説明してくれたフミさんは「さすがだな」って思いましたね。
斎藤 いやいや、とんでもない。ジェリコは新日本ユニバースの人たちも知っておかなければいけないクラスのスーパースターですからね。
棚橋 やっぱり予備知識を持って観たほうが、プロレスっておもしろいですからね。
斎藤 「えっ? そんな超大物が来るの?」みたいに思っていただければね。ボクにとっても、新日本プロレスに上がるまでのクリス・ジェリコのありとあらゆるアプローチ、1.4東京ドームの1試合のためにあれだけ徹底的にやるっていうのは衝撃的でしたから。だから、新日本ユニバースの人たちにとっては「その人って、そんなに凄いの?」っていう感覚があったのかもしれないけど、「本当に凄いレスラーなんですよ」ってことを説明するのはアリだと思ったんですね。
──あとインタビューの中でフミさんは、「ケニー・オメガの次にクリス・ジェリコのアンテナに引っかかるのは棚橋弘至かもしれない」ということもおっしゃっていましたよね。
棚橋 フフフ。アレはうれしかったですね。
斎藤 ボクは、いまでも棚橋選手とはやってほしいと思ってますけどね。クリス・ジェリコっていう選手が新日本プロレスとの関係にどれだけ深くコミットしているか、じつのところボクもわからないんですけど、ケニー・オメガとの一戦のためにあれだけのことをやって、そして今度は内藤哲也との対戦を実現するためにアメリカから日本まで飛んできて、完全ノーマーク状態のまま5.4福岡大会に乱入してきた……。
棚橋 あの情熱は凄まじいですよね。「あれだけ名前のあるスーパースターがそこまでやるのか?」って思いましたから。
斎藤 また、5.4福岡大会の乱入の仕方もかつてジェリコ自身がやったことへのセルフオマージュみたいな部分があったんです。何年か前、ジェリコがレイ・ミステリオのマスクを被って、その上からスウェットのフードを被り、花道のミステリオを襲うっていうシーンをWWEマットでも1回やったことがあるんですね。
──そうなんですね。じゃあ、WWEをちゃんと観ている人にはわかるという。
斎藤 ええ。突然、客席からファン(のふりをしたジェリコ)がガードを乗り越えて乱入してくるみたいなね。そして、襲ったあとで自分でそのマスクを取ったら、「あっ、ジェリコ!」という感じの乱入をやったことがあったんです。それを今回は、内藤選手に対してやったということは、彼の中では今回の対戦を……。
棚橋 楽しみにしているということでしょうね。
斎藤 ハイ。楽しみというか“特別なもの”という認識があるんでしょうね。
棚橋 だから、ジェリコ選手のアンテナはたしかだと思いますよ。やっぱり新日本のリングで絡みに行くんだったら、いまは内藤が美味しいですからね。
──いま一番勢いのある人間ですからね。
棚橋 (がっくりとした表情で)ああ、しまった。内藤を褒めちゃった……(苦笑)。
斎藤 だからこそ、今回の対談はそこから始めなきゃいけないんです。たしかにいまのIWGPヘビー級チャンピオンはオカダ・カズチカで、いま一番売れ線とされているスーパースターは内藤哲也かもしれないけど、ボクの中ではチャンピオンベルトを持っていようがいまいが、新日本のナンバーワン、いや日本のプロレス界ナンバーワンは棚橋弘至なんです(キッパリ)。
棚橋 おおっ!(嬉しそうに)。
斎藤 文句なくナンバーワンです(キッパリ)。
棚橋 ちょっと、コレは太字で見出しにしてくださいね(笑)。
■棚橋「ボクはブレット・ハートvsショーン・マイケルズのアイアンマンマッチが凄く好きなんです」
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