現地時間・3月25日(日) アメリカ・WALTER PYRAMIDで行われた新日本プロレスの『STRONG STYLE EVOLVED』にて、獣神サンダー・ライガーとのドリームマッチが発表されながらも、負傷欠場となった“レジェンド”レイ・ミステリオJr.選手。
当日も会場に来場し、欠場の挨拶を行ったミステリオJr.選手にその心境をインタビュー。
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■いまライガーと闘ったら1996年とは比べものにならないレベルの試合になるよ
――さて、ミステリオ選手、残念ながら今回は実現しませんでしたが、あなたにとって今回の獣神サンダー・ライガーと試合はどんな意味がありましたか?
ミステリオ そうだね。まず、最初にこのオファーを受けた時、1996年当時の記憶が蘇ったよ。ライガーの方が自分より少し年上なんだけど、あの頃の俺たちは2人ともすごく若かった。当時のことを思い出して、とても懐かしい気持ちに浸ったよ。でも時を経て、いまでは俺もレジェンドのレスラーになった。1996年に闘った時も凄い試合だった(1996年12月29日WCWマットで実現、ライガーが勝利)けど、いま闘ったらその時とは比べものにならないレベルの試合になるよ。俺たちのキャリアの共通点は、おたがいにたくさんの偉業を残して来たところだ。実現していたら本当に凄い試合になっていただろうね。
――あなたはこれまでにもたくさんの歴史に残る試合をしてきました。現在のレスラーとしての心境は?
ミステリオ 残念ながらこの試合は実現しなかった……。だから……、そうだな……ちゃんと説明するのはすごく難しいんだけど……俺はすごく闘いたかったんだけど、周囲が認めてくれなかった。この試合が近づくにつれて、自分自身の準備は万端だったけれど、直前でキャンセルすることになってしまった。その知らせを受けた時は、本当にショックで落ち込んだよ。だから「まだキャリアの中でやり遂げてないことがある」と感じてる。大きなショックは受けたけど、次回こそ実現できるって信じてるよ。
――今日は、観客と一緒にライガーvsオスプレイの試合を観戦しましたね。試合自体はどうでしたか?
ミステリオ まず、ファンと一緒にニュージャパンのエネルギーに溢れた試合を観戦できて、すごく特別な気分だった。ファンとして試合を楽しむことができたんだ。ゆっくりイスに座ってプロレス観戦なんてなかなかできないからね。だから、今日は“レイ・ミステリオ”というプロレスラーとしてじゃなく、純粋にプロレスファンの一人として楽しんで観てたんだ。一瞬、一瞬から目が離せなかった……。オスプレイは、まるで本当に宙を飛んでいるかのようなハイフライムーブをする。本当に凄いよね。「これが現代のプロレスのレベルなんだ」って実感させられたよ。もの凄く進化してる。リングサイドの1列目であんなにハイレベルな試合を見ることができて感激したよ。もちろん自分があの場所で闘えていれば、もっと良かったけどね。
――いずれは、オスプレイとも対戦することになりそうですね。オスプレイがIWGPジュニアヘビー級の挑戦者にあなたを指名したことは、どう思いましたか?
ミステリオ 何も恐れてはいないよ。彼はハッキリとこう言ったんだ。「レジェンドを倒さなければ、自分もレジェンドになれない」と。まず、自分をレジェンドと称えてくれて光栄に感じだよ。じつは彼とは以前にも闘ったことがある。とても努力家でタフな選手だ。だから、オスプレイはまた闘いたい相手の一人なんだ。自分は常にチャレンジングな相手と闘いたい。もちろん彼も自分から刺激を受けているだろう。俺からたくさん影響を受けたと言ってくれたんだ。嬉しいね。オスプレイとはぜひ試合したいね。
■自分の中ではライガーとオスプレイ、そしてマーティーとも闘うつもりだ
――今夜の試合を観戦しながらも、あなたはライガーと対戦したいと思っていたと思います。そして試合後は、オスプレイから挑戦指名を受けましたが、その直後、マーティー・スカルが乱入してきました。スカルがあなたのマスクを剥ぎ取った瞬間、どう感じましたか?
ミステリオ 初めはなんだかずっと観たかった映画をついに観たような誇らしい気分でいたよ。そしたら、最後は誰かにネタバレされて台無しされた気分になった。そんな風に感じたね。あなたが言うように、最初はライガーと自分の対戦を頭で思い描いてたんだ。そして、オスプレイのマイクで自分はIWGPジュニアヘビー級のタイトル試合にも挑戦するチャンスを得たのかと思った……。でも次の瞬間に“悪党”マーティーが入ってきた。じつは、アイツとも過去に闘ったことがある。いいさ、また闘ってやるよ。スケジュール的にはいつになるかまだわからないけど……。オスプレイとマーティー、彼らのどっちと先に闘うか、それはまだわからないよ。でも、自分としては“ミステリオvsライガー”を楽しみに待っていてくれていたファンを、絶対に満足させたいんだ。だから何よりもまず、ライガーとの試合を最初に実現させたいね。
――スカルにマスクを剥ぎ取られたことで、さらに台無しにされましたね。
ミステリオ マスクマンのマスクが剥ぎ取られる気持ちがあいつにはわからないのか。これほどなく無礼だね。プロレスラーが相手のマスクを剥ぎ取る行為は、アイデンティティを奪う最低最悪な行為だ。そして、そのマスクを剥いだ相手のことは「リスペクトしていない」と言う証でもある。俺だけじゃなく、ルチャドールの選手全員、そして俺の叔父さん(レイ・ミステリオ・シニア)に対しても無礼な行為だ。俺の叔父はルチャドールの選手として自分を鍛え上げ、俺のコーチをしてくれた。ここまで頑張ってきたルチャドールの選手全員に対する侮辱行為以外の何ものでもない。アイツはそれを知っててやったんだ。俺は絶対、あんなマネなどしない。でも、アイツだって変な鳥のマスクを着けてるだろ? ……俺がもしあのマスクを剥ぎ取って、踏んづけたらどう思う? ヒドい侮辱行為だと思うに違いない。アイツの行為はやりすぎだ。
――マーティー・スカルがした行為によって、あなたの新日本に対する感情、スタンスは変わりましたか?
ミステリオ ノー。そういった気持ちはないよ。依然として、自分の中ではライガーとオスプレイ、そしてマーティーとも闘うつもりだ。ただ、もしもニュージャパンが、マーティーとの試合を最初に組んできたら、「それは大きな間違いだ」と言ってやるけどね。俺は28年間もプロレスをやってきた結果、とても忍耐深くなった。そのおかげで自分の感情もうまくコントロールできるようになった。時間さえ合えば、またライガーとも闘えるさ。
■「まだ他にもやりたいことがある」ということに気づいたんだ。それがニュージャパンで闘うことだ
――最後に、あなたのケガの回復はどれくらいかかる予定でしょうか? ドクターからは何と診断されましたか。
ミステリオ いま、左腕の上腕二頭筋が切れているんだ。じつは2009年にも同じケガをしているんだよ。合計3回も手術をした。その結果、15パーセントも腕の力は弱まってしまった。ドクターからは「回復するだろうが、もちろん腕の力は弱まるだろう」と言われている。でも、まだ持ち上げるだけの力は残ると思ってるよ。「もし手術をしなければ、さらに状態は悪化するだろうか?」そう尋ねたら、ドクターは「いまのところは問題ない」と言う返事だった。「手術をしなくても数ヶ月後には回復する」とね。それに「動きはとてもいい」とも言ってくれたよ。もちろん「焦ってはいけない」とも言われたけどね。だから完全に回復するまで、もう少し待つしかないんだ。でも手術はしないと決めたから、あと数週間もすればまたリングで闘えるようになるだろう。
――レイ・ミステリオにとって新日本プロレスとは何でしょうか?
ミステリオ 俺にとってのニュージャパンか……。ニュージャパンで試合をすることが、ずっと昔からの夢だった。俺はこの3年間、自分の夢のリストを次々と実現化してきた……。あなたが言う通り、素晴らしいキャリアはもう手に入れたが、「まだ他にもやりたいことがある」ということに気づいたんだよ。それがニュージャパンで闘うことだ。ニュージャパンの“ベスト”と闘うために、俺はここに来たんだ。
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