いよいよ今週末の『NEW JAPAN CUP 2018』開幕戦、3月9日(金)後楽園大会で、欠場からの復帰戦を迎える棚橋弘至。
負傷欠場が相次いでいたここ数年。この日は、逸材自身が「ずっと行きたかった」という、自身の“厄祓い”(後厄)と参拝を東京・明治神宮で済ませて気分も一新。
その直後に、復帰前の現在の心境を聞いた直撃インタビューを無料更新!!
撮影協力/明治神宮
■心の中にある「厄年だから……」というネガティヴな気持ちが、スーッと消えていく感じ
――さて、本日は明治神宮さんのほうに伺って、棚橋選手の“後厄”の厄祓いを済ませて参りました。その直後のインタビューになります。
棚橋 ハイ。ここのところの数年の棚橋は、“厄感”が非常に強かったですし。そもそもプロレスラーはアクシデントと隣り合わせの仕事なので、あまり厄のせいにはしたくないんですけど、実際に“前厄”だった一昨年、そして“本厄”だった去年とちゃんと一本ずつ二頭筋を切っているのでね……(苦笑)。
――ええ。あまり笑えない感じですけども……。
棚橋 この間、厄祓いには一度も行けていなかったんですね。もはや、後厄になったら切る二頭筋もないっていう危機的な状況だったので、今回の復帰前のタイミングで「できたら行きたい」とは思ってました。
――実際にこうして厄祓いを経験した感想は?
棚橋 ウン。やっぱり神社っていうのは背筋が伸びますね。シッカリと祈祷して頂いて、静寂の中で「祈願してください」と言われて。で、「何を祈ろうかな」と考えていたら、終わっちゃってましたけど……(苦笑)。
――えっ? 本当に?
棚橋 というのは冗談で、まずは前厄と本厄とケガしたので「今回は、欠場のないようにがんばれますように」ということ。あとはいま新日本プロレスが盛り上がっている中、故障者も増えてきているので「みんな、ケガなく盛り上がっていければ」ともお願いしました。全体を俯瞰で見ているエースらしくね(笑)。
――初体験ということで、イメージしていた厄祓いと違いはありましたか?
棚橋 もっと、“厄”っていう得体のしれない怪物を、「悪霊退散!」みたいに引っぺがすのかなと思っていたんですけど、そうじゃなかったですね。心の中にある「厄年だから……」というネガティヴな気持ちがスーッと消えていく感じというか。いや、ホントにお祓いの前とあとでは景色が違って見えますね!(すがすがしい表情で)。
――そこまでスッキリしましたか。
棚橋 ええ。やっと、念願の厄祓いに来ることができたっていう部分もあるんでしょうね。この後厄でようやく“滑り込み”できたというか。そもそも厄祓いに滑り込みという概念があるのかはわからないですけど(笑)。
■……そういえば俺、ここ最近の『NEW JAPAN CUP』1回戦負けが続いてないですか?
――そして、いよいよ週末には『NEW JAPAN CUP 2018』の開幕戦である3.9後楽園で、復帰戦を迎えます。
棚橋 ハイ。よく、テスト勉強の前は得意科目を伸ばすか、苦手科目の克服に重点を置くか、その2パターンがあると思うんですけど、俺の場合は間違えたところを全部直して、穴を埋めていく作業というか。いまは「もう、これで何が来ても間違わない!」っていう状態です。
――試験前の準備に抜かりなしと。
棚橋 トレーニングもしっかりやってきて、体調管理もバッチリなので。あとは若いヤツを捕まえて実戦に向けたスパーリングをやろうかな、と。そして最後のワンピースとして、こうして厄祓いもできましたし。いままではどこか画竜点睛を欠いていたのが、これでパーフェクトになりました。
――復帰に向けて「死角ナシ」と。棚橋選手は『NJC』の栄えある2005年の第1回大会覇者であり、08年の第4回大会でも優勝を果たしていますが、大会自体にはどんな印象をお持ちですか?
棚橋 ウン。俺が初めて優勝したときは、大会自体も模索していた時期でしたね。そのあと、出場者の選定や開催時期などトライ&エラーを繰り返し、いまはいいかたちに収まったという印象です。……そういえば俺、ここ最近は1回戦負けが続いてないですか?
――じつは15年は矢野通選手、16年はバッドラック・ファレ選手、そして17年はEVIL選手に敗退していますね。
棚橋 うわ~。3年連続、1回戦負けか……(苦笑)。厄除けもしたし、ちょっとこの悪い流れを今年こそ食い止めたいですね!
■1回戦では俺が“一番ラッキー”。このタイチ戦というカードは、棚橋弘至への“ご祝儀マッチ”ですよ
――今回の1回戦では、ヘビー級転向を表明したタイチ選手と対戦することになりましたが、会見では「俺は内藤ほど優しくないから、けっこうバッサリいくかもしれない」と発言していましたね。
棚橋 ええ。だって、タイチに何も思い入れないですから(苦笑)。どうにもこうにも思い入れがなさすぎてね……。
――たしかにお二人の接点というのは、思いつかないですね。
棚橋 だからね。悪いけど、今回の出場メンバーを見渡したときに、1回戦では棚橋弘至が“一番ラッキー”なんじゃないですか? まさに復帰祝いというか、このタイチ戦というカードは、棚橋弘至への“ご祝儀マッチ”ですよ(ニヤリ)。
――そこまで勝利は揺るぎないと。これまで棚橋選手はプリンス・デヴィット選手や飯伏幸太選手など、ジュニアからヘビー戦線に参入する選手も迎え撃ってきましたけど。
棚橋 俺ね、じつは一番ヘビーとジュニアの階級わけにこだわりがないんですよ。だって、100キロのヘビー級選手と95キロのジュニア選手。100キロのヘビー級選手と160キロの(バッドラック・ファレ)のことを考えたら……。
――同じヘビー級くくりでも、後者の方が前者よりもだいぶ体重差がありますね(苦笑)。
棚橋 そういうことなんですよ。もちろん、ジュニアとヘビーっていう、それぞれのイメージは大事ですけど、俺には大きなこだわりはないというか、凄く現実的に受け止めています。
――では、階級を抜きに個人として考えたときに、タイチというレスラーはどう映っていますか?
棚橋 タイチね……。なんか、過去の『週刊プロレス』か何かのインタビューで「レスラーはみんな誰もが棚橋弘至にはなりたいけど、なれないからそれぞれ自分のかたちを探していく」みたいなことを言っていたのをよく覚えてますね。それを読んだとき、「オイ、あきらめんなよ!」とは思いましたけどね。
――タイチ選手は「棚橋選手のようになりたい」と思った時期もあったということでしょうね。
棚橋 それはずいぶん前のインタビューで、自分もうろおぼえですけど、「コイツ、あきらめやがった」って感じたことは覚えてますね。
――そこがスタートになって、いまのタイチ選手があるのかもしれない。直接対決もほぼないのでは?
棚橋 ないと思いますよ、タッグで何回か当たったとか本当にその程度でしょうね。
――そういう意味でも、先ほどおっしゃったようにタイチ戦は、“復帰祝い”以上でも以下でもない?
棚橋 ハイ。悪いですけど、そのくらいの感覚です。そもそもタイチの身体つきだって、もうちょっとプロとして相応しいモノがあるんじゃないですか? たしかに大きくはなっているんでしょうけど、あの身体を見たらね……。タイチは絶対、夜の時間帯にお菓子食ってますよ?
――コッチは、徹底的に節制しているのにと。この喫茶店でもパンケーキをガマンされてましたし。
棚橋 まあ、個人的にはわりとタイチに対しては厳しい目線ですかね。現時点では、そういう評価でしかないです。
――ただ、ファンのタイチ選手に対する期待感は高まっていますね。
棚橋 そこは、ファンの方々には「ついにタイチが野心を持って動き出した!」というふうに映っているんでしょうね。
――そのタイチ選手との1回戦は、3.10愛知県体育館のメインイベントで行なわれます。
棚橋 そうですね。まあ、俺がこうやってアグラをかいているので、いい感じでタイチに足元をすくってもらえれば、試合自体はおもしろくなるんじゃないですか? まあ、「俺の勝利は揺るがない」という前提で言ってますけどね(ニヤリ)。
――発言のそこかしこから、余裕が漂ってきますね。
棚橋 いや、余裕はありますよ。フフフ。
――なかなかキラーな言葉が続いていますが、正直なところ「一緒にしないでくれ」という気持ちもありますか?
棚橋 それはありますよ!(キッパリ)。仮にファンの人が、「棚橋はずっと1回戦負けが続いているから、タイチ戦でも何かが起こるかも……」と思うのは自由ですけど、自分からしたら正直、「あんまりナメてくれるなよ?」っていう気持ちはありますね。
■この2回戦が正念場でしょうね。ファレなのか? ランスなのか? いずれにせよ、ここで復調具合がハッキリと見える
――この1回戦を勝利すると、3.14静岡での二回戦ではファレvsランス・アーチャーの勝者と対戦することになりますが……。
棚橋 なんか、ああ、なんか二人の「チ○コ」論争がありましたよね?
――「チ○コ」論争!?
棚橋 ええ。トーナメントの組み合わせが決まってから、ランスがツイッターで「Watashi wa KAKKOI!」ってつぶやいたら、ファレが「Omae wa chinko da!」って返していたのを見て笑いましたけども。
――そんなやりとりが。先ほど、棚橋選手は「一回戦は復帰祝い」とおっしゃってましたけど、この2回戦はどちらが上がってきても非常に厳しい相手というか。
棚橋 いや~、どっちが相手でもエグいですね。とくに、俺はファレとは分が悪いんでね……。ランスの場合にはひさびさですけど、いつも攻略しきれないんですよ。まあ、そんなに当たったこともないんですけど。
――復帰戦を飾っても、2回戦では新日本で一二を争うスーパーヘビー級戦士が待ち構えていると。
棚橋 そういう意味では、この2回戦が自分の正念場でしょうね。ファレなのか? ランスなのか? いずれにせよ、ここで棚橋弘至の復調具合がハッキリと見える試合だと思います。
■ケガを抱えていても“絶好調”はありますからね。で、いまの俺がまさにそれです!
――普通ですと、『NEW JAPAN CUP』のインタビューでは、優勝決定戦で闘いたい相手とかも聞くんですけど、現時点では着実にひとつずつ結果を残すという感じでしょうか?
棚橋 そうなんですよね……。さっき言った1回戦、2回戦にしても、自分としたら一個ずつやっていくしかないです。俺もベテランと言えども、欠場からの復帰戦となると不安要素も多いんで。
――ただ、去年も大阪城ホールや『G1 CLIMAX』など、欠場明けですぐ復帰戦というケースがありましたが、今回は違いはありますか?
棚橋 フフフ。今回はヤバいですよ? 欠場期間の調整に大成功しましたから(ギラリ)。
――そうみたいですね。ちなみに棚橋選手と反対の山に出場している飯伏幸太選手は、「勝ち上がってくるのは棚橋さん。コンディションを備えたときの棚橋さんは怖い」と警戒されていて。
棚橋 たしかに飯伏が懸念する通り、コンディションはバッチリです(ニヤリ)。そういえば、ファンの方もツイッターで「飯伏選手が“サムライTVで欠場明けの棚橋弘至は怖い”と発言してました」と教えてくれましたね。
――力強い言葉ですけど、観る側としてもここ最近は万全の状態の棚橋弘至を目にしていないというか。
棚橋 まあ、いまや自分に万全という状況はないですからね。ケガの完治ということはない。ただし、ケガを抱えていても“絶好調”はありますからね。で、いまの俺がまさにそれです!
――そういう意味では、ここ最近ファンになった方は、その“絶好調”の棚橋弘至というのを目撃していないと思うんですよ。
棚橋 ハイ。そこを見せましょう!(キッパリ)。
■ハッキリ言って、俺は防衛記録を超えられたくないんですよ!
――そして、優勝するとIWGPヘビー、IWGPインターコンチ、NEVERの三つの王座の挑戦選択権を獲得するわけですが、現時点で言える範囲でビジョンはありますか?
棚橋 もちろん、いまの俺にとってビッグチャンスですよね。……ちょっと遡っていいですか? 前厄、本厄、そして現在に至るまで、ここ数年の棚橋には宿題が多すぎるんですよ。だからね、これは一個ずつ返していきます。
――いま、その反撃体勢が完全に整ったと?
棚橋 ハイ! 急ピッチで、攻撃的リハビリで肉体を仕上げてきたので。とりあえず、一個ずつジックリやらせてください。これから一個ずつ、順番に宿題をこなしますんで(笑)。
――最後に一点、長く棚橋選手を観ている人からすると、オカダ・カズチカ選手が棚橋選手が記録したIWGPヘビーの連続防衛記録“V11”を射程圏内に捕らえているのが、非常に気になるんですよね。
棚橋 ああ。“V11”に関しては……。やっぱり、なんとか阻止できる位置に到達したいですよ。
――運命的な話なんですが、2011年10月に当時IWGPヘビー級王者だった棚橋選手が10度目の防衛戦を行なうときに、立ちはだかったのがV10の記録保持者だった永田裕志選手だったんです。
棚橋 ああ、そうですよね……。やはり「歴史は繰り返す」といいますから。もちろん気持ち的には止めにいきたいですけど、いまの自分にとっては、そのタイミングで、その位置にいれるかどうかが重要なので。「次、オカダの防衛戦は11回目だから、ちょっと調子が悪いけど棚橋でいくか」ではダメですから。
――ええ。それではファンも納得しないですしね。
棚橋 ウン。いろんなところで言ってますけど。ハッキリ言って、俺は防衛記録を超えられたくないんですよ!(大きな声で)
――負けず嫌いな棚橋弘至が出ましたね。
棚橋 もちろん! だって、いまやIWGPヘビー級王座の最長保持記録はオカダになったんですよね?(昨年、橋本真也選手が持っていた「489日間」の記録を更新した。現在も更新中) その記録だって超えたいですもん。
――非常に意地っ張りですね。
棚橋 本音を言えば、俺はIWGPヘビーのあらゆる記録を持っていたいので。「記録には興味ないです。ひとつずつ重ねていったら11回になってました」とかじゃあ、おもしろくないじゃないですか? 「連続防衛します!」とか「絶対超えられたくないです!」と言い切ることで、ファンの注目もさらに集まるわけだし。なので、ここから連続防衛12回を達成するのは、この俺です!
――自分の防衛記録は自分で塗り替えますか。
棚橋 フフフ。まだ、復帰もしてないのに、「どの口が言ってるんだ?」って感じですけど(苦笑)。でもね、俺は絶ッ対に防衛記録は抜かれたくない!(キッパリ)。
――そのためにも、目の前の試合をひとつずつ乗り越えていくのが、復帰後のテーマになりそうですね。
棚橋 そうですね。……いまね、大きいことを宣言する棚橋と、なかなかひとつずつしか上がっていけない棚橋。その両方を自分の中で同時に抱えてるんですよ。でも、強気だけではなく、不安も抱えているというのは慢心がないので。だから、精神的なコンディションは非常にいい。非常にニュートラルな状態ですよ。
――それはお話を聞いていても伝わってきます。
棚橋 いい感じのヴァイブス、伝わってくるでしょ?(笑)。まあ、表面的にはいつもどおり大口叩いて自信マンマンの棚橋でいきますけど、抱えている不安要素は練習で欠点を潰してきたとはいえ、慎重ではあるので。いまの棚橋は“大胆かつ慎重”なわけです。加えて、厄祓いも済ませていると(ニッコリ)。ということで、今年の『NJC』、ちょっくら優勝してきます!
■『NEW JAPAN CUP 2018』
3月9日(金)18:30~東京・後楽園ホール
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※「特別リングサイド」「リングサイド」「指定席」は完売となりました。
※当日券は「立見」「小中立見(要身分証明書)」を16:00より発売いたします。
3月10日(土)18:00~愛知・愛知県体育館
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3月11日(日)16:00~兵庫・ベイコム総合体育館(尼崎市記念公園総合体育館)
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※「ロイヤルシート」「2FスタンドS」は完売となりました。
※「アリーナS」「アリーナA」「2FスタンドB」は残り僅かとなりました。
※「2FスタンドA(注釈付き)」「2FスタンドB(注釈付き)」は、チケットぴあ・ローソンチケットのみで販売中(ステージ横のエリア開放につき、お席によってはステージ上のスクリーンが見えない場合があります。リング上に関しては通常通り問題ありません)
<当日予約情報>
尼崎大会のチケット予約は、3月10日(土)19時まで「当日予約」を受け付けています。これは、当日券の購入を事前に予約するもので、当日引替となります。(キャンセル不可)
■お問い合わせ:新日企画 TEL 078-737-3142
3月12日(月)19:00~香川・高松市総合体育館・第1競技場
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※「ロイヤルシート」は残り僅かとなりました。
3月14日(水)18:30~静岡・ふじさんめっせ
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3月15日(木)18:30~東京・後楽園ホール
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※「特別リングサイド」「リングサイド」「指定席」は残り僅かとなりました。
3月16日(金)18:30~東京・後楽園ホール
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※「指定席」は完売となりました。
※「特別リングサイド」「リングサイド」は残り僅かとなりました。
3月18日(日)15:00~静岡・アクトシティ浜松
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※「ロイヤルシート」は完売となりました。
3月21日(水・祝)15:00~新潟・アオーレ長岡<決勝戦>
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※「ロイヤルシート」「2F指定席」は完売となりました。
※「1Fアリーナ」「1Fひな壇B」「3F指定席」は残り僅かとなりました。