6月5日(月)15:00より、新日本プロレス事務所にて『BEST OF THE SUPER Jr. 24』の二夜明け会見が開かれ、優勝者のKUSHIDAが喜びと今後の展望を語った。
会見の冒頭、菅林直樹会長が6月11日(日)に大阪城ホールで開催される『保険見直し本舗 Presents DOMINION 6.11 in OSAKA-JO HALL』の全対戦カードを発表。KUSHIDAが高橋ヒロムのIWGP Jr.王座へ挑戦することも明らかにされた。
ところが、そこへ王者ヒロムがベルトを携えて乱入し、KUSHIDAの挑戦を真っ向から拒否。『SUPER Jr.』リーグ戦の初対決で負けたウィル・オスプレイを次期挑戦者として指名し、菅林会長に対戦カードの変更を要求した。
これを菅林会長が完全に黙殺すると、ヒロムは突然泣き出し、「大阪城で俺とKUSHIDAなんて誰も見たいと思ってないですよ!」「もう今年に入って彼とシングル(マッチをやって)2回も勝ってるんですよ!」「2度あることは3度ありますよ~!」と言いたい放題でわめき散らすと、フラフラと立ち去ってしまった。
これでようやく登場したKUSHIDAは、ヒロムとは対照的に冷静そのもの。「3度目の正直」という“ことわざ返し”で勝利を宣言すると、ヒロムが取った言動を「精神的に未熟なチャンピオンのわがまま」「ちょっとみっともない発言」とバッサリ。
さらには、「プロレスのチャンピオンに挑戦者の指名権はない」「わがままを言わずに黙って最高の仕事をする」という独自のプロレス論を展開し、王座奪回に自信をみなぎらせた。
■高橋ヒロムの乱入場面
ヒロム「ちょっと待って下さい! いやぁ来てよかった~! ハァ~来てよかった。まだ間に合いますよね!? 来てよかった。なんでオスプレイじゃないんですか~!? あれだけ言ったのに! どうしてKUSHIDAなんですか~!? 会長!? たしかに~(自分は)『BEST OF THE SUPER Jr.』、決勝にも行けませんでしたよ。いや~KUSHIDA選手、素晴らしい。素晴らしい! おめでとうございます! それはおめでとうございます!(※と拍手) それは素晴らしいですよ。たしかに素晴らしいです。でも、『BEST OF THE SUPER Jr.』は終わりました。大阪城の話ですよ。いまこっからは大阪城の話に移ります。これ(※発表済みのカード)は違います。まだチャレンジャーが決まっていないので、俺の口から直接、次のチャレンジャーを指名いたします。初対戦で負けたウィル・オスプレイ選手。彼を大阪城のチャレンジャーとして指名させていただきます。会長の口からハッキリとカード変更の方をよろしくお願いします」
菅林「…………」
ヒロム「うわぁ~~ん!(※と泣き崩れて) なんでいつも、なんでいつもこうなんですか!? 俺たちの言うことはなにひとつも聞いてくれない。大阪城で俺とKUSHIDAなんて誰も見たいと思ってないですよ! もう、今年に入って、彼とシングル(マッチをやって)2回、2回も勝ってるんですよ! しかも、2分ですよ! 2分で試合で終わっちゃうぐらい、彼は強くないんです…。いいんですか!? 2度あることは3度ありますよ! これは! 日本に古くからあることわざです…。うわぁぁぁ~~~~!! うわぁぁぁ~ん…!!」
清野茂樹アナウンサー「突然、高橋ヒロム選手がこの会見場にやって来ましたが…。会長、対戦カードの変更はないということですか?」
菅林「はい。発表した通りでやらせていただきたいと思います(キッパリ)」
――はい。IWGP Jr.ヘビー級選手権試合は高橋ヒロムに対してKUSHIDAの挑戦が決定しております。これに関して変更はないということになります。6月11日『DOMINION』大阪城ホール大会、どうぞご期待いただきたいと思います。
■KUSHIDAのコメントと質疑応答
KUSHIDA「日本には古くからこういうことわざがあります。“3度目の正直”。確かに今年に入って高橋ヒロムに2回イカれました(負けた)けれども、何を言っても言い訳になることは分かっています。ひとつ言えることは、負けた理由は自分の中でわかっているということです。ふたつの負け、しっかり認めた上で『BEST OF THE SUPER Jr.』優勝しましたので、チャンピオンと『BEST OF THE SUPER Jr.』優勝者、どちらが強いのかハッキリ決めさせていただきます。以上です。」
――KUSHIDA選手が登場する前に、高橋ヒロム選手が菅林会長のところに来てカード変更を要求しました。菅林会長は変更なしと言っていましたが、ヒロム選手のアピールについてどう思いますか?
KUSHIDA「そうですね~。う~ん、まあちょっと精神的に未熟なチャンピオンのわがままかなというふうに思いますね。実際、去年、(IWGP Jr.)チャンピオンで彼と同じ立場で、僕も優勝できませんでした。オスプレイが優勝して。やっぱり『BEST OF THE SUPER Jr.』が(IWGP Jr.)次期挑戦者決定戦になって欲しくないとうのは、どうやらいまのチャンピオン(ヒロム)も同じ考えだと思います。しかし、去年オスプレイが優勝しまして、その場で(自分が)対戦要求されました。大阪城で退けました、それを。まあ、僕も(そういう状況を)重々わかっていながら。ただね、優勝できなかったことに対するある種の恥ずかしさというか、情けなさ。やっぱりどっちが強いのか? “自分がチャンピオンと名乗っていながらほかに強い者がいる”という状況は、非常に歯痒い時間でしたので。今回、大阪城で(自分の挑戦が)決まりまして、それをチャンピオン(ヒロム)が拒否すると。まあ本心なのか、いま流行りの体制批判(なのか)。反体制を主張することによって、自分の立場を明らかにしているかもしれませんけれども、う~ん、『ちょっとみっともない発言かな?』と思いますね。基本的に僕はプロレスのチャンピオンに挑戦者の指名権はよっぽどのことがない限りないと思っていますので。実際、このROH(世界TV王座)のベルトだって(同じだし)、去年IWGP(Jr.)のベルトを獲って、(次期挑戦者を)指名した、そしてそれが実現したということはなかったので。なんかこうここに来て主張するというよりも、いま『BEST OF THE SUPER Jr.』が終わって、新日本プロレス内のJr.の立場全体を考えるとですね、ここはいままでどおり僕がやってきた『わがままを言わずに黙って最高の仕事をする』と。体制批判、文句、わがまま。これは誰でも言えますからね。なにも建設的でもないので、僕はポジティブに、もう1回高橋ヒロムと闘って“3度目の正直”を体現したいと思います」
――優勝した後は感動的なエンディングになりました。ウェーブをみんなでやったりして、いろいろと反響があったと思いますが、ご自分の中ではどうですか?
KUSHIDA「そうですね~。やっぱり対戦相手に恵まれているというのは凄くあって。オスプレイとやれた、このコンディション、このキャリア、このタイミングで、非常になんか運命的なもの(を感じる)っていうか。『BEST OF THE SUPER Jr.』って今年で8回目ですか? 参加させていただいて、8年ともメンバーが確実に毎年色が違うっていうか。同じメンバーでやることってないので、本当にその年その年の最高クラスの世界最高峰が集まるリーグ戦ということでは、非常にかけがえのないというか。そのときを共有できたなっていうのは(感じる)。で、代々木(競技場・第二体育館)も何やらもうプロレスでは使えないというか、代々木第二、思い出のある場所なんですけども。そういう場所もなくなってしまうという噂もなにやら聞きましたので。あの日、あの時の瞬間を味わえたことに、凄く感謝していますね。あとはこのスケジュールでこれだけのシングルマッチをやって、まだこうして生きていられる丈夫な体に産んでくれた両親には感謝しています。ホントに。(優勝決定戦の)試合後ですね。いろんな感情が渦巻きましたけれども。何やら(大阪大会の)この対戦カード、ズラッと並んでいますよね。休憩がないと聞きました。これはいっちょKUSHIDAが勝てば、あの大阪城ホール1万人オーバーの観客席で、ウェーブやりたいですね! ハイ。どうでしょうか!? 勝てばウェーブをやります」
――この一戦は『SUPER Jr.』覇者vsJr.王者の頂上決戦と捉えていますか? それともヒロム選手に対するリベンジというのが大きいですか?
KUSHIDA「う~~ん、そうですね。やっぱりやられた借りは…ましてや東京ドームと両国国技館と、デカい会場でイカれて(負けて)ますんで、大阪城ホール(リベンジには)もってこいの会場ですよね。なんか僕の周りで、ちょっと感覚的になんですけど、今年に入ってプロレスを見始めたというファンの方が非常に多くてですね。やっぱり長くプロレスを見てたり、プロレスをしていると、感覚がマヒしてくるんですけれども、東京ドームから見始めたという人にとっては、“KUSHIDAは高橋ヒロムより弱い人”。もしくは“若くない人”っていうふうな認識かもしれないので。そのへんは、ときの流れが早いですけども、この6ヶ月分、失った時間、そして“高橋ヒロム・時限爆弾”によって壊された僕の未来をですね、取り戻したいなと思います」
――先ほど、過去2回ヒロム選手に負けた理由が自分の中ではわかっていると言っていましたが、いままでと最も違うと思う部分はどこですか?
KUSHIDA「う~~ん…そうですねぇ~。ちょっとやっぱり(1月4日)東京ドームあたりからかな~!? まあ、去年のハードスケジュールっていうのも影響あるのかもしれませんけど、どこか心と体のバランスが非常に崩れて、精神的にも“かい離”があってですね。体は疲れているんだけど、精神はやる気があったりとか、その逆もまた然りで。そういった時間の中で試合はやって来ると。けど、ゴングが鳴れば体は動くと。そういった中で、なんか『自分はもうこのまま死んじゃうんじゃないかな!?』と思う。それぐらいバランスを崩していたんですね。ただ、この『SUPER Jr.』で吹っ切れたというかですね。新しい技も効果的に(使えた)。いままでもアイデアとしてはあったんですけれども、『試合の中でどう落とし込むか?』という部分で発揮できてなかったんですけども、そういったバリエーション、勝つための方程式、そういうのも増えましたんで。過去の2回とは違います(キッパリ)」
――リーグ戦では感極まって涙してしまうということもありましたが、Jr.に対する思いというものを改めてお聞かせ下さい。
KUSHIDA「代々木(競技場・第二体育館)、3年前(2014年)に(優勝決定戦で)リコシェと闘ったときに初めて使って、翌年、(カイル・)オライリーとやって、(どちらも)チケット完売しませんでした。3年がかりでやっと、ようやくあの会場を満員にできたっていう。もうこれはホントに僕1人の力じゃないと思いますし、何よりそれを実感できたのは、僕が優勝して、いろんな選手がリングに上がって来たじゃないですか? そのときに、1人複雑な表情を浮かべて、だけど笑顔で迎え入れてくれた男がいるんですけど、それはリコシェなんですけど。凄いジェラシーというかですねぇ…。それはたぶん3年前にあの会場で、同じ時期に僕と『BEST OF THE SUPER Jr.』の決勝で闘って、僕が優勝したということに対してもそうだと思うし、オスプレイの成長? あれだけお客さんの感情を引き出して、『オスプレイ頑張れ』というところまで感情を出せた。あのシチュエーションに非常になんか複雑な表情を浮かべていたんですけど。なんかそういう1人1人のJr.の選手の感情、思っていること、気持ち。その1人1人の気持ちが、3年前より確実に伝わって、1人1人のキャラクターも、試合スタイルも。なんか、彼の表情を見たときに、より一層、気が引き締まるじゃないですけども、“そういう気持ち”になりましたね。だから、3年という時間が流れました。『僕が明るい未来に連れて行きます』と言って、数年が経ちました。確実に、前に向けて、上に向けて、前進できているんじゃないかな?と思います。この勢いを、流れを、止めることなく、Jr.を盛り上げて行きたいですね」
――そんな責任感の中での2度目の優勝は、初優勝と違いますか?
KUSHIDA「もうぜんぜん違いましたねぇ~。苦しさもぜんぜん違ったし、(最後に)見えた光景もやっぱりぜんぜん違いましたねぇ~。『まあ~、長かったな~』というのが実感としてありますね(苦笑)。「よ~やく代々木にたどり着けたな」というか、ホントに成績的にもギリギリすべり込みセーフだったんで。途中、何度も諦めかけたし。なんかホントに忘れられない日になりましたね。そして今年をまだまだ忘れられない年にしたいというか。首が詰まってですね、それが腰に来て、たぶん骨盤がズレてですね、凄くいま非常に歩きにくいんですけども。この過酷な『SUPER Jr.』の期間中って、なんかあんまり練習ができないんですね。自分を追い込む練習ができないというか。ホントに試合第一で考えて、この3週間を乗り切ってきたので。終わった瞬間、まあ夜はハイボールを飲んで、好きなものを食べたんですけど、次の日、『早く練習がしたいな』と思いましたね。この期間、練習ができてなかったんで。だから、もうすでに僕は気持ちが切り替わっているし、前を向いて、『大阪城を楽しみにしたいな』と思います」
――そんな状況でも大阪城に不安はありませんか?
KUSHIDA「う~ん、そうですね。このまま意外ともう来週の日曜日で、時間がホントにないですよね? 今週の金曜日、後楽園ホールもあるし。もうこのまま『“連戦ハイ”のまま、突入できるかな?』という体のフィーリングがいまありますね」
■『保険見直し本舗 Presents Road to DOMINION』
6月9日(金)18時30分~東京・後楽園ホール
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※「指定席」は残り僅かとなりました。
※前売券販売は6月7日(水)まで、「後楽園ホール5階事務所」のみ6月8日(木)まで。期間内でも在庫がなくなり次第終了となります。
※当日券は16:00より発売いたします。
■『保険見直し本舗 Presents DOMINION 6.11 in OSAKA-JO HALL』
6月11日(日)16時~大阪・大阪城ホール
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★チケット情報はコチラから!
※座席指定席券はすべて完売しました。
※当日のみに販売を予定しておりました「立見券(4,000円)」を数量限定で前売販売中です。